35話

第35話

「今日は、勝手に押しかけて、ごめん。噂が聞いたから、

 心配になっただけから。楓」


「うんん、良いよ。今日は、どうもありがとう。宏雪。


 宏雪って呼ぶのは、何か変だけど、だって、一つ上なのに……」


 楓はサッと廊下に出た。宏雪は、ドアを閉めた。


 二人は歩いて、玄関に行こうとする宏雪は足を止めて

 楓のお母さんに言う。


「遅くまで、すみませんでした。お邪魔しました」


「何も出さないで、ごめんなさいね。また、いらしてね」


 楓のお母さんは、台所から出てきながらエプロンで、

 手を拭いている。宏雪は玄関に行き、靴を履いた。


「今日は、お邪魔しました。失礼します。また、楓、明日な」


 宏雪は玄関のドアを開けた。楓は、手を振りながら。


「うん、宏雪、明日ね」


 宏雪は、笑って帰って行った。楓は、部屋に帰ろうとすると

 楓のお母さんが声を掛けた。


「あの人って良いわね。駿君よりも」


 楓のお母さんは笑った。


「うん」


 楓は頷きながら、部屋に入った。

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