32話

第32話

愛美は、苦しそうな顔をしながらも、ちょっと何処か嬉しそうな感じ。


「駿先輩、私達は堂々、付き合えますね」


「ああ、愛美ちゃん」


 切なそうな顔をする駿。愛美は、誰かの気配を感じた。


 すると、駿と楓の同じクラスの女の子が、一部始終、


 見ていた。愛美達を、ちらっと見て、走って行った。


 もう一方の楓は、教室に戻り、カバンを持って、


 教室を出ようとした。同じクラスの男の子が楓に声をかけた。


「どうした? 塚野」


「具合が悪いから。早退するよ。じゃあね、また、誰か、

 ノートを貸してね」


 楓は教室を出た。


 そして、楓が帰った後、駿と愛美の事が学校中の噂に

 なっていた。それを知った宏雪は、楓の教室に走って来た。


 ただし、駿はいなかった。


「はーはー、塚野楓さんは、何処に行ったのかな?」


「あっ、そう。塚野は、具合が悪いから。昼から早退する

 って、家に帰りました」


 同じクラスの男の子が帰る用意しながら言った。


「あっ、そうか。誰か、塚野さんの家の住所を知っている?」


 宏雪は聞いた。楓の同じクラスの人達は、宏雪の事を

 コソコソと話している。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る