7話

第7話

「おはよう。小山君、塚野さん」


「えっ、おはようございます。あの時の」

 楓が振り向くと宏雪がいた。

 

 彼は、柊 宏雪。高校三年生。髪は、サラサラヘアーに、落ち着きある

 大人っぽく、優しい今風に言ったら、癒し系である。


 駿は思い出したように言う。


「柊さんでした? すみません。おはようございます。柊さんって、ここの

 学生だったですか?」


「そうだけど。小山君達よりも、一つ年上だよ。小山君達の事は、皆が噂を

 しているから知っていたよ。あの時、出会う前から」


「えっ。私達って、有名ですか。それに、『駿』と『楓』でいいですよ。

 先輩なんですから」


「なら、『駿』と『楓』で呼ばせてもらおう。学校では、有名な二人だよ。

 僕も宏雪で良いよ」


「俺ら、そんなに有名だったなんて、知らなかった。先輩なんで、

 『宏雪先輩』って呼んでもいいですか?」


「いいよ。これで行くから」


 宏雪は、教室に行こうとしたら楓が、声を掛ける。


「宏雪さんって、高校生なんて見えないですよ」


「どうしてだ?」


「落ち着いて、『大人っぽいだな』って思ったから」


「そうか。早く、教室に行かないと遅れるぞ」


 宏雪は去って行く。駿と楓は、ハッとして走り出す。

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