第一章 偶然の出会い

5話

第5話

「遅れちゃう。あっ、駿、おはよう。いつも自転車で、家まで迎えに来てくれて、

 ありがとうね」

 

 制服を着ている楓は家の門を開けた。


「よぉ、おはよう。早く乗れ」


「うん」


 楓は駿の後ろに座り掴まった。

 

 駿は、自転車を漕ぎ出した。二人は、色んな話をしながら、楽しそうにして

 いる。


「今日から、新入生が入ってくるね。楽しみだね。駿はかわいい子が入ってくる

 と嬉しいもんね。ワッハッハ」

 

 楓は駿をからかう。駿は、不機嫌そうに言う。


「楓はな。どうして、言ったんだ? 俺は、『楓の事が好き』って言っただろ。

 でも、かわいい子は、好きだけどさ。可憐で、はかなそうな子がいいな」


「やっぱり、それ、見てみい。この間、この道で会った女の子みたいな、かわいい

 子がいいでしょう。えっ~と、名前は何だっけ?」


 楓は考え込んだ。

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