3話

第3話

「どうも、すみません。ほら、『気を付けろよ』って言っただろうが?」


 駿は、怒りながら走って駆け寄った。そして、楓の身体についたほこり等を、

 

 ポンポンとはらいながら――。


「こいつ、いつもの事ですから。こいつが悪いんです」


「どうも、すみませんでした。貴方がたの名前は? あっ、私の名前は、塚野 楓

(つかのかえで)です。よろしく」


「俺は、小山 駿(こやま しゅん)よろしく」


 駿は、楓の頭を手で下げながら、軽く会釈をした。


「私は、上月 愛美(かみつき まなみ)です。よろしくお願いします」


 愛美は微笑みながら、軽く会釈を返した。そして、男性は優しく微笑んだ。


「僕は、柊 宏雪(ひいらぎ ひろゆき)なんだ。こちらこそ、よろしく」


 宏雪は、手を出して駿と握手をした。


「私は、急ぎますのでこれで失礼します」


 愛美は、会釈をして歩き出す。


「僕も失礼するよ」


 宏雪は歩き出す。


「じゃあ」


 楓達は、笑って手を振った。


 それぞれに、行き場所に向かって、歩き出した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る