違和感と怪談
れんたか
第1話
皆さんは、電話にまつわる怖いエピソードをお持ちでしょうか?
私は今まで怖い思いをしたことはないのですが、以前おばあちゃんから聞かされた話が恐ろしく、それ以来、電話に対して少し苦手意識を持つようになりました。
今日は、その時の話をここに書かせていただきたいと思います。
これは、おばあちゃんが幼い頃に体験した出来事です。
おばあちゃんは田舎に住んでおり、当時は娯楽が限られていたため、同じ遊びを繰り返し楽しんでいたそうです。
現代でも人気のある「マリオカート」が特にお気に入りで、よく友達を家に招いては、一緒に遊んでいたと聞いています。
そんなある日、不思議な出来事が起こりました。
その日も友達とゲームを楽しんでいたおばあちゃんは、電話の通知に気づきました。
画面には「非通知」と表示されていたそうです。
「何だ?」と思いつつも、ゲームを一時停止して、何気なく電話に出ました。
「もしもし?」
しかし、相手からの返事はありません。
代わりに、かすかな雑音のような音だけが聞こえてきました。
おばあちゃんは「いたずら電話かな?」と思い、電話を切ろうとしたその瞬間――
「ぉぃ……」
かすかに誰かの声が、聞こえたのです。
その声は数年前に、亡くなった叔父の声にそっくりだったそうです。
驚いたおばあちゃんは、慌てて電話を目から取り外しました。
亡くなったはずの叔父が、なぜ?
おばあちゃんと叔父さんは、特別親しいわけでもなかったそうです。
叔父の声に驚きながらも、恐る恐るもう一度電話を取り付けました。
「ぉぉぃ……」
間違いありません、叔父の声でした。
「叔父さん……?」
そう呟いた途端、電話はディロンと音を立てて切れてしまったのです。
その日の夜、おばあちゃんは家族にこの出来事を話しました。
すると、驚いたことに、その日は叔父の7回忌だったそうです。
おばあちゃんは「何か伝えたいことがあったのかもしれないね」と笑っていました。それが幼い私にとっては、とても恐ろしい話でした。
それ以来、電話が鳴るのが怖くて、しばらくギャラホを取り付けるのが怖くなってしまい、父と母に笑われたのを覚えています。
違和感と怪談 れんたか @rerererereb
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