第14話 ロリとお風呂2
どうにか木乃花ちゃんの背中を洗い終わった俺は、かなりの精神力を使い果たし、疲れ切っていた。
「終わった·····」
「ありがとうございました、結城さん。今度は私が洗う番ですね」
まだ体を流していない木乃花ちゃんは、泡だらけのまま俺の背中に回る。
「結城さんの背中、大きいですね·····」
「これでも高校生だからな」
そりゃ小学生と高校生なんて、月とスッポンくらい違う。
「それじゃあ、洗いますね」
「お願いします」
元より期待はしていなかったが、女子小学生はやはり力が弱い。なんなら少しくすぐったいのだが、そこはグッと我慢することにした。
「こんな感じかな?」
「ありがとう。よかったよ」
「えへへ。またやりましょうね」
「その時はよろしくね」
さすがに、今回と同じようなことをまたやるのは厳しいな·····と内心思いつつも、一応賛同しておく。
「ほら、シャワーで流すよ」
「は、はい·····!」
俺は木乃花ちゃんの体をシャワーで流してあげる。
·····と、自然にやってしまったのだが、これってもしかしてまずいのでは?
水着の中にシャワーのお湯を入れないと、石鹸を洗い流せないのだ。
「木乃花ちゃん、水着を少しだけ開けてくれる?」
「こうですか?」
木乃花ちゃんが胸元を軽く引っ張って隙間を作る。
「そ、そう。そんな感じ·····」
胸の膨らみが一切ないその空間を見ないように、俺はシャワーのお湯を入れる。
すると、水着の隙間からお湯が溢れ出してくるではないか。
ロリから溢れ出してくるその聖水は、排水溝へと向かって流れて行く。その様子を見守りながら、背中にもお湯を入れて石鹸を洗い流した。
「なんか、プカプカしてます·····」
木乃花ちゃんがお腹の下当たりを触る。中にお湯が溜まっているのだ。
「た、多分、そこら辺に隙間があるから、そこからお湯を外へ出せるよ·····」
俺は下手な説明ながらもどうにか頑張って誘導し、やっと木乃花ちゃんを洗い終わった。
俺も木乃花ちゃんに流してもらって、ようやく全てが終わった。
·····と思っていたのだが、まだ肝心のお風呂に入っていない。
「もう疲れたから入らなくてよくない·····?」
「お風呂は疲れたから入るものですよ?」
「いやまあ、たしかにそうなんだけども」
一般的な家に、足を伸ばして入れるお風呂がどれくらいあるだろうか。
なんならこのお風呂は、泳げてしまう。
「あーーーー」
完全に精神的に疲れきった俺はお風呂で癒される。
極楽だ。
しかも隣にはロリがいる。
これぞまさに、これ以上ないほどの「幸せ」というものではないだろうか。
「いかがですか?」
「ほんっとうに最高だよ。毎日これに入ってるだなんて、羨ましすぎる」
「ふふっ。満足いただけたようで何よりです」
ロリの天使のような甘い微笑みに、俺の疲れは完全に浄化されてしまった。
もうここから抜け出せないかもしれない。
しばらくお風呂を堪能してから、木乃花ちゃんを先に上がらせ、俺はその後に上がる。
体を拭き終わって着替えている途中、俺は洗濯物の存在を思い出し、洗濯物カゴをチラッと覗いてみる。
案の定、俺のパンツの上に、木乃花ちゃんのパ·····。
おっと、これは見ちゃダメなやつだ。今度こそ犯罪者になってしまう。
「ああ見えて、意外と·····」
なんてボソッと呟く一人の男の姿がそこにはあった。·····俺のことだ。
***
「ソフトクリーム食べますか?」
先にお風呂から出ていたパジャマ姿の木乃花ちゃんが聞く。
木乃花ちゃんの着ているパジャマは、白と水色の相性がとても良いサッパリとした印象を魅せており、清楚な彼女にとても似合っている。
ちなみに、まだ髪の毛を乾かした様子はなく、バスタオルを頭で結んでいる。
「ソフトクリーム?」
「はい。ソフトクリームです!」
家でソフトクリームを食べることなど、なかなかない。お金持ちの生活はどうも違うらしい。
「じゃあ、食べようかな?」
「ちょっと待っててくださいね」
木乃花ちゃんはキッチンに行って、ガサガサと何かをし出す。
俺は気になってその様子を見に行く。
「こっ、これは·····」
ソフトクリーム製造機とでもいうのだろうか。正式な名前は知らないが、ボタンを押すとソフトクリームが出てくる機械があった。
キッチンを案内された時に一度見たはずなのだが、一体何なのか気にしなかったらしい。
「これでソフトクリームを作るんです!」
木乃花ちゃんはソフトクリームを乗っけるためのコーンを取り出して言う。
「これはすごいね。ソフトクリーム食べ放題じゃん」
「そうなんです! 材料さえあればいつでも好きなだけ食べれますよ!」
本当に俺たち一般人と住んでいる世界が違う。まず、家にソフトクリーム製造機があるってなんだよ。
「はい、どうぞ」
「ん、ありがとう」
上手に渦を巻いたソフトクリームを渡される。俺はそれを一口、食べてみる。
「うまっ」
これはもう、お店で売ってるようなソフトクリームである。
「美味しいですよね。私も結構気に入ってるんです」
木乃花ちゃんも自分のソフトクリームを、その小さな舌でペロッと舐める。
──可愛い。
まるで小動物にでもなったかのような木乃花ちゃんを、俺は自分のアイスが溶け始めていることにも気付かずに眺めていた。
「結城さん! ソフトクリームが溶けてきてますよ!」
「うわっ!? 危ない、危ない」
コーンに垂れてきたソフトクリームを舐め取り、残りのアイスをパクパクと口に含む。
「結城さんって、アイスは食べる派なんですね。私は舐める派なんです。冷たくって·····」
「俺も昔は舐めてたなあ。もしかしたら歳を取ったせいなのかも」
「そうなんですか!」
木乃花ちゃんに歳を取ってほしくないと思ってしまうのは、きっと俺のエゴでしかない。
ロリコンが同じ子をずっと愛し続けられないのは、必ず成長してしまうからだ。
三次元相手だと成長には逆らえない。だからこそ、ロリコンは基本的に二次元へと没頭する。
俺もそうだったはずなのだが、木乃花ちゃんと関わるようになってから、その考え方にちょっとずつ変化が起き始めているような気がするのは、単なる気のせいだろうか。
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