23.今後と帰宅

パーティー翌日

昨日は時間も遅かったため、パーティーが終わってから陛下と話す時間が取れなかったため、今日は朝から王城に来ていた。

「カナタ、昨日はすまなかったな。婚約を発表するまでは、またこんなことがあるかもしれないが、辛抱してくれると助かる。」

「大丈夫ですよ。たいした苦でもないですから。」

「そう言ってくれると助かる。そして、今日呼んだ理由だがな、これからの事についての話をしようと思ったからだ。パーティーも終わったことだし、そろそろ領地の方に戻るだろう?」

これには父さんが「えぇ、向こうには大切な家族がいますから」と答えた。

「リオとニーアだがな、先日、我と商会長のミロウシュと話した結果フリジアに預けようと言うことになった。」

これにはびっくりした。どうやら父さんも初めて聞いたらしく、

「本当に言っているのですか?簡単に会うことができなくなりますよ?」

とめちゃくちゃ心配そうにしていた。

「構わんさ。それに、2人にもすでに了承してくれている。」

「そうですか。わかりました。カナタ、お前に大きい部屋をあげるから3人で生活できるように、うまく改造してくれ。今までお前が使っていた部屋を物置にする。」

「わかりました。2人のことももちろん歓迎しますよ。母さんも娘ができて喜ぶでしょうし」

「出発する日が決まったら教えてくれ。」

「わかりました。」



俺と父さんは王都の家に戻ってすぐに、帰り支度を始めた。本当は明日出発する予定だったが、リオとニーアも来ると言うことで準備のために一日の余裕を作った。


この1日で俺は新しい魔法を作ろうと考えている。

作ろうとしているのは、簡単に言うと転移魔法のようなものだ。

思いついたきっかけは、王都とアルフハーツを簡単に行き来できるようにすれば、位置的な問題で家族に会えないということ解決できると考えた。もちろん2人のためだ。



〜魔法創造〜

使用者レベル 18

使用する属性:空間

付与する能力:異空間を経由して長距離を一瞬で移動する。(指定した対象も含む)

創造にかかる魔力:1700

〜〜〜〜〜


めちゃくちゃ魔力を消費するな。今の俺の魔力量の約半分が一気に無くなった。

〜〜知神〜〜

ステータスを更新します

〜〜〜〜〜〜




______________

翌日

朝、8時王都の家を出発して、リオとニーアをひろって王都を出た。

ちなみに父さんには転移魔法の話をすでにしている。じゃあなんで転移して帰らないかっていうといくつか理由があって、まず馬車の御者は今回のために雇っただけなので、能力について知られることにリスクがあるということ。

二つ目に、貴族の義務だ。道中にある町や村による必要があるということ。

三つ目は、リオとニーアに能力を教えるのは、家に帰り着いてからにする予定だからだ。一つ目と通じるところもあるが、ここでは誰が聞いているか分からないため危険だと考えたからだ。


以上の理由から、おとなしく馬車に揺られて家まで帰っているのだ。



______________

4日後

予知通り家に帰り着くことができた。

母さんと兄さんにリオとニーアが俺と婚約したことや一緒に住むことになったことなど王都であったことを話した。母さんは驚いていたが、娘ができたことにとても喜んでいた。


そして今俺と父さんは2人で新しい俺の部屋を作っている。

元々地下にある広い倉庫として使っていた部屋を綺麗にして俺たちの部屋にしようとしている。魔法があれば壁を掘って部屋を拡張することもできるため、やはり地下がいいだろうということになった。

元々、俺が使っていた部屋に倉庫にあったものをどんどん移動させていく。


床の板材なんかもずっと手入れがされていなかったこともあって、ボロボロだったため、濃魔の森から何本か木を拝借して板材に加工して敷き詰めたりと、結構大規模に改築しているのだ。最低でも必要なのは、三つのベッドと棚だそれぞれのものを収納できる収納スペースはないと困るということで今日中にそこまで終わらせなければいけないのだ。


ここで俺が思いついたのは日本にあった収納付きベッドだ。ここで前世の知識が役立つとは思っていなかった。実物はないため仕組みは俺の記憶を頼りに即興で作ったが結構いい感じだ。


今日のところは、こんな感じでいいだろう。結構疲れたな。部屋の拡張や水をぶっ掛けて汚れを落とした後に水でびちょびちょになった空間を風魔法と火魔法で乾かしたりと大変だった。


まぁ、この部屋であれば他の人に何かを聞かれる心配もないので、安心して2人に能力のことを話せるな。












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