22.決闘とパーティーの終わり
俺はシースと決闘をするために王城の訓練場に来た。
「心配はしてないけど、負けたりとかしないでよ?」
「わかってるよ。心配しないでいいよ。安心して俺の応援をしてくれ。」
訓練場の中央にシスティアさんが立っている。どうやら審判を頼まれたようだ。
俺が出てきた通路とは反対の道から、シースとその取り巻きが出てきた。
それをみたシスティアさんはすかさず注意をする
「一対一のはずですよ。なんで3人も出てきているんですか?」
「別に、あいつとの会話に一対一なんて、条件は出てこなかったですけどね?」
俺の方を指差しながら、そんなことを言ってきた。
「システィアさん。別に三体一で構わないですよ。もし1人だけだと10秒持つかも怪しいですから」
「舐めやがって、もしお前が負けたら、お前と一緒にいた女の子は俺が貰うからな。」
「ニーアは別に僕のものではないんですけど。まぁどのみちあなたには渡しませんよ。」
お互いに向き合う
「はじめ!」
システィアさんの合図で3人一斉に飛びかかってきた。
「ウィンドストーム」
俺は3人の前に3つ同時にウィンドストームを発動する。魔法の並列発動は、大人でもできる人は少ないので、わかる人には俺のヤバさが伝わっていると思う。
「ランドバレット」
「アイスバレット」
俺の後ろまで回って来ていた取り巻きくんたちが不意打ちのつもりなのかバレットを撃ってきた。まぁ、魔力感知でバレバレだがな。
「フレイムウォール」
「な、なんだよ火属性まで使えるのかよ。しかもレベルも結構高いんじゃ。」
「な、なぁ俺たち結構やばいやつに手をだしたんじゃ」
今さら気づいたって遅いよ。
「戦闘中におしゃべりなんて、ずいぶん余裕だなんじゃそろそろ終わらせたいんで、退場してもらいますね。ラップウィンド」
風魔法で2人を包み込んで退場させる。どこへって?もちろん空高くまで飛んでいってもらった。すぐに落ちてくるだろう。
「さて2人はもういないよ」
「クソガァー、」
ヤケクソになったのか、自身の身の丈と同じくらいのサイズの剣を振りかぶって来た。
俺はシースのもつ剣を弾き飛ばした。
「フレイムウォール」
俺とシースを囲むようにしてフレイムウォールを発動する。
「シャドーウェポン。まだ続ける?今降参したら許してあげる。でもこれ以上続けるなら、本当に容赦はしないよ。」
俺は低いトーンで、シースの首にナイフを向けながらしゃべる。
「わ、わかったから。降参するから殺さないで。」
「よし、ここで会ったことは内緒ね。」
俺はフレイムウォールを解除する。そしてすぐにシースが「降参する。」降参を宣言した。
俺は上から風に包まれて降ってきた取り巻きくんをキャッチする。
観客はみんなフレイムウォールの中で何があったかはわからないだろう。
「しょ、勝者、カナタ・フォン・ハーランド」
システィアさんの声で俺の勝利が決した。
俺の元にニーアが飛び込んでくる。
「さすがカナタくん。勝ってくれてありがとう。」
______________
俺たちの戦闘が終わって観戦していた人たちもパーティー会場の方へと戻っていった。
その後は、特に問題なくニーアと一緒に楽しく過ごした。
「皆、注目してくれ。時間も遅くなって来たことだし、そろそろお開きにしようと思う。今回のパーティーは、色々あったが楽しめたなら良かったと思う。それでは、解散とする。」
こうして、5歳のお披露目パーティーは終わった。
「カナタ、よくやった。」
父さんに、めちゃくちゃ褒められた。すっきりしたとかなんとか
ちなみにシースの父親は、陛下に呼ばれてめちゃくちゃ頭を下げていた。
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