17.出発と助太刀
三日後、王都に出発する日が来た。
「準備はできてるな?」
「はい!大丈夫です」
大丈夫も何も必要そうなもの全部アイテムボックスに入れただけだけど。
「出発してくれ」
父さんが馬車の御者に合図をして出発した。今回王都には俺と父さんそれにメイドミンティが行くことになった。俺と父さんは5歳になった貴族の子供のお披露目パーティと、今回のスタンピードの報告をするために王都に行く。
兄さんは12歳から王都の王立ユークエイト学園に入学するために家で、母さんと魔法の練習をしたり勉強をしたりしている。水属性の魔法の熟練度も結構高くなっていたようだし、他の属性も少しだが使えるようになっているようなので、今度兄さんとも模擬戦してみたいなと考えている。
ここから王都まで3日と少しの間馬車で移動する。4日目の昼前には王都に着く予定だ。
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今朝家を出発してから、8時間ほど移動した。今日はここグーランカの町の宿で泊まってまた明日の朝出発する予定だ。
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翌日 午前6時30分
俺たちは出発する準備をしていた。貴族は移動の際に途中にある町や村に立ち寄り様子を見て回って、問題がないか、困っていることは無いかなど、確認する義務がある。
そのため父さんは今、この町の村長のところに挨拶もとい確認に行っている。
こんな朝早くから大変だなと思う。将来こんなことをする立場になるかもしれないのだから貴族というのもいいことばかりではないなと思った。
朝食を食べて、8時になり出発する時間になった。
「それでは、出発したいと思います。いい宿でした。」
父さんが宿主にそういってから御者に合図をして出発となった。
出発してから3時間ほど経った頃俺の魔力感知に少しおかしな魔力が引っかかった。
今から進む道で止まっている複数の魔力があるのだ。新しく獲得した魔眼、千里眼で様子を見てみると、商会か何かの馬車が魔物に襲われていた。
「父さんこの先で、魔物に襲われている馬車がいます。早く助けなければ、死人がでてしまうかもしれません。」
「わかった、馬車のスピードをあげるように指示しよう」
それじゃあ間に合わない可能性が高い。
「父さん、俺が風魔法と身体強化のスピードで先行して魔物を倒してきます。父さんは騎士たちと一緒にできるだけ早く来てください。」
それだけ言い残して俺は馬車の扉を開けて飛び降りる。
ちなみに身体強化というのは、全身に魔力を巡らせることで、一時的に身体能力を底上げする技術のことだ。
「大丈夫ですか?助太刀に来ました。」
そういって、俺は一体のオークの首をはねた
「助太刀感謝する。」
「一気に片付けます。巻き込まれないように馬車の方によってください。」
「シャドウウェポン ソード
フレイムエンチャント ナイトイグニスラッシャー」
実は、煌めく猛剣は悪魔との戦闘で壊れてしまったのだ。そのためシャドウウェポンで剣を作って代用した。
まぁ、そんなことは置いておいて、今の範囲攻撃で、7体いたオークは全て倒せたようだ。
「そこの馬車、ご無事ですか?」
ちょうど父さんたちも追いついて来たようだ。
「助太刀感謝する。お名前をうかがってもよろしいでしょうか?」
「僕は、カナタ・フォン・アルフハーツと言います。ここにいる、フリジア・フォン・アルフハーツ辺境伯の次男です。」
「なんと貴族様でしたか。これは失礼しました。私は王都に本店を構えている、ビーツハート商会代表の執事をしているアイゼンと申します。助けていただき本当に助かりました。」
「なんと、ビーツハート紹介ですか、まさかそんな大商会の方とこんなところで縁ができるとは。」
「アイゼン、私にもお礼をさせてくださる?」
「はい」
馬車の中から1人の銀髪少女が出てきて、俺の前に来る。
「この度は、助けていただきありがとうございました。私は、ビーツハート商会嫡女のニーアと申します。年齢は5歳です。カナタ様がいなければ、今ごろ私たちは、考えたくもないような無惨な姿になっていたでしょう。」
「5歳でここまで落ち着いているとは、さすがは大商会の1人娘ですね。」
アイゼンさんが申し訳なさそうに頭を下げながら
「お願いしたいことがあるんですが、行き先が王都のようですので、我々の馬車を護衛しながら進んでくださいませんでしょうか?」
と行ってきた。
これに父さんは「わかりました。ここであったのも何かの縁ですし構いませんよ。」と、快く引き受けた。
「ありがとうございます。貴族様に頼むことではないというのはわかっているのですが、先ほどの戦闘で、連れていた騎士は負傷してしまいましたから。」
父さんが話をしているうちに、2人のことを鑑定してみた。
名前 ニーア(女)
称号 転生者 ビーツハート商会関係者
種族 人間
年齢 5歳
状態 緊張(弱)
レベル 6
HP 583/583
MP 893/893
筋力 17
敏捷 26
魔力 21
耐久 20
・
・魔力操作(Lv6)
・魔力感知(Lv5)
・商才(Lv6)
・礼儀作法(Lv6)
魔法適正
・風属性(Lv2)・光属性(Lv3)
加護
守護天使の加護
こんな感じ色々気になることとか聞きたいことはあるけど一旦置いておく。
次はアイゼンさん
名前 アイゼン(男)
称号 プロ執事
種族 人間
年齢 57歳
状態 怪我(小)
レベル 32
HP 492/521
MP 351/605
筋力 51
敏捷 47
魔力 41
耐久 51
・執事技術(Lv8)
・魔力感知(Lv4)
・礼儀作法(Lv9)
・剣術(Lv8)
魔法適正
・土魔法(Lv6)
こんな感じ。
魔法使いというよりもバリバリの戦士って感じだな。
「あの、カナタ様。色々お話を聞きたいのですが、うちの馬車に一緒に乗ってくださいませんか?」
「えぇ、構いませんよ。そのほうが、何かあった時にも守りやすいですから。父さんもそれでいいですか?」
「あぁ、構わないよ。くれぐれも何も無いようにな。」
父さんは少し顔を歪めていたが、渋々といった感じで許可を出してくれた。
「わかっていますよ。」
ニーアのステータスだが、加護ってのは初めて聞いたな。
〜〜知神〜〜
守護天使の加護は、使用者に害のある物理、魔法攻撃を無効化または効果半減する
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