16.国王直属兵と報告会
現在時刻は午後7時を回ったところだ。
今回のスタンピードに際し王都から援軍が来てくれるということだったらしいのだが、到着よりも早くスタンピードが起こってしまった。こんなことが起こっていたらしく、つい先ほどこちらについた援軍の兵士の代表も会議に参加することになった。
理由は簡単だ状況を整理して、国王に報告するというのも仕事だからだ。
「それではこれより、二重スタンピードの報告会を始める。まずは、
父さんと目を合わせた後、女騎士が立ち上がる
「はい。今回援軍として王国兵を率いて来た、セブンナイツの副リーダーのシスティアです。到着してすぐに、今回のスタンピードによる被害が0と伺っています。被害が出なかったことを大変嬉しく思います。スタンピードに間に合わなかった分、事後処理の方はできる限り手を貸させていただきたいと思います。」
「ありがとう。」
父さん言葉の後にシスティアさんは座った。
「それでは早速ないように入っていく。今回のスタンピードは何者かによって意図的にお起こされたというふうに考えているが、異論のあるものはいるか?」
「異論ではないですが、僕の見解としては今回襲撃を指示していたのは隣国のニブヘルム帝国ではないかと考えています。」
僕の言葉にシスティアさんが眉を顰める。
「子供のあなたに何がわかるというんですか?」
システィアさんの言葉に父さんは
「あぁ、システィア殿には伝えていなかったが、今回のスタンピードでアルフハーツ軍を率いて、森の魔物に対応したのは、カナタなんですよ。他にもドラゴンの討伐と首謀者の1人と思われる悪魔一体も討伐しているんです。」
「本当なんですか?にわかにわ信じられませんが。」
「これは最初我々も疑っていたのですが、一緒に同行していた、騎士全員がカナタがドラゴンと悪魔を倒したという話を肯定していたので信憑性は高いです。」
この話にギルド長のハウガンさんが付け加える
「本日の昼頃、ギルドにある鑑定水晶にて鑑定したところ、ドラゴンスレイヤーという称号も加わっていたため事実かと。」
「そうですか。皆さんがそこまで言うなら信じる他ないですね。」
「ありがとうございます。話を戻しまして、先程の話の信憑性についてですが、僕が倒した悪魔タークの発言から、人間から指示ということと、その指示の内容がアルフハーツの街の壊滅だったことがわかりました。そこから、この街がなくなって欲しいと考えている人が指示していると考えることができます。国内にいる可能性も考えられますが国内でこの街の価値、重要性がわかっていない貴族はそうそういないと思われますし、この街の隣は、私の祖父が治めている領地であることを考えると、この街を狙うリスクが高すぎると考えるのが普通ですので、消去法で隣国のニブヘルム帝国だと考えます。さらに今日調べた情報ですが、ニブヘルムは軍備の強化をしているというような噂もあるため、ほぼ間違いないかと。」
「カナタありがとう。よく理解できたよ。国王陛下にもそのように報告しようと思う」
「次に今回ダンジョンのスタンピードのボスとして現れた、二足歩行の竜だが、これについて何かわかったことはあるか?」
これに対しハウガンは、
「特にはないですね、地竜では無いようですが、地竜のような脚力を持っていることがわかりました。鱗はドラゴンと比べて小さいですが、強度はそうとうのものでした。」
「カナタの命名によりこの魔物のことはティラノと呼ぶこととする。」
「ここからは報酬の話だ。ハウガン殿頼む」
「わかりました。今回のスタンピードにて得た魔物の素材は全て冒険者ギルドで買い取らせてもらいました。アルフハーツの騎士様方50名には1人につき金貨5枚分の支払い準備をギルドにて行なっています。カナタ様についてですが、今回ドラゴンを単独撃破されたということでその分の金額を加えますと、白金貨50〜100枚くらいととても一括で払えるような額でして。そこで提案なのですが、カナタ様に本来7歳からしかなれないところを、特例で冒険者登録しまして、さらに、中級と呼ばれるDランクからのスタートにすることで、冒険者ギルドの金庫から報酬の分の金額だけ好きなように使うことができるようにすることができますが、登録なさいますか?」
早いうちから冒険者になれるのは嬉しいことではあるが
「少し、質問いいですか?」
「構いませんとも」
「特例で冒険者登録していただいた場合は、任務を受けることは可能なんですか?」
「もちろん可能です。」
「わかりました。次にギルドカードで支払いなどができるのは一定のお店だけですか?」
「そうですね。ほとんどのお店がこのシステムを導入していると思いますが、していないところももちろんありますので現金でもいくらかは、持っていた方がいいと思います。ギルドに来ていただければ、現金を引き渡すことももちろん可能です」
ということはギルドが前世で言う銀行の役割も果たしていると言うことか。
やっぱり断る理由がないな。
「わかりました。特例での冒険者登録よろしくお願いします。」
その後は、軽くお茶をしながら情報交換をしたりしていた。
「それと最後にカナタ、明後日にはお披露目パーティーに参加するために王都に出発するからな、しっかり準備をしておくように。」
「わかりました。」
「以上で報告会を終わろうと思う。長時間の会議っで疲れただろうゆっくり休んでくれ。」
このあとは部屋に戻ってから寝た。昼起きだったから寝れないかもと思ったが、ベットの入ると、睡魔に襲われた。
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