8.盗み聞きとダンジョン
今日は家にお客さんが来ている。話を聞く限りギルドの偉い人のようだ。
ギルドっていうのは簡単に説明すると、冒険者をサポートする組織のことだ。依頼主と冒険者の仲介をしたり、冒険者が得た魔石を買い取ってくれたりもする。
そんなギルドのお偉いさんがわざわざ頭下げに来たと言うことは、何かやばいことが起こる予感がする。
冒険者であり、領主の父さんと母さんに用事があるようで、少し慌てているようにも見える。
父さんと母さんは貴族でもあるが、一流の冒険者でもある。何かあればギルド側から訪ねてきても全くもっておかしくない。
俺は扉の外からその話を、盗み聞きしている。
「街の南側にあるダンジョンが
「
ちなみにダンジョンっていうのは、簡単にいうと魔素が溜まることで魔物がわきやすくなった場所のことだ。
ここ、アルフハーツの街にはダンジョンが2つありその管理を冒険者ギルドに一任している。ダンジョンにも危険度というものがあり、広さやでてくる魔物の強さを総合して決められる。
二つのダンジョンというのは、今話題に出てきていた街の南にある
ちなみに、魔星石と魔石の違いだが、魔石はその魔石を核としていた魔物の記憶が刻まれており、魔星石には魔法の基本属性が刻まれているという違いがある。
そしてもう一つのダンジョンは街のはずれにあり、ゴブリンなどの弱い魔物がでてくる初心者用のダンジョンだ。こっちのダンジョンはもう数100年スタンピードは起きていないらしい。
スタンピードが起こればほぼ確実に被害がでる。最悪の場合は大量の死者が出るかもしれない。できればこの街でそんなことにはなってほしくない、だからこそ俺がみんなの役に立つために何ができるか考えている。
俺は、この間父さんと森に行って魔物を倒したのが初めての戦闘だったから戦闘経験があるという訳ではない。だから、スタンピードが起こるまでにどうにかして、魔物討伐に行きたいのだが、この様子だと父さんたちは明日はダンジョンに行くだろうから、俺と一緒に森に行くのは難しいだろう。
1人で森に行くか。
父さんの許可が出れば良いが、1人だと魔法創造で作った魔法も使えるから良い練習になるだろう。
「わかりました。それでは、そのように取り計らいましょう。それではまた明日ということで。」
ギルドの偉い人との話が終わったらしい。部屋に戻らないと盗み聞きしてたのがバレるな。
俺はバレないようにこっそりと部屋に戻った。
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