第9話 プリンおいしい。
「ほう、これはなかなか...」
「あんたにそこまで言わせるなんてなかなかね。どれどれ〜。!?お、美味しいわ!」
「勇者の家のご令嬢様にここまで言わせるプリン。なかなかやるな。」
俺、上野零は今幼馴染と一緒に夕食のデザートとして例のプリンを食べている。
なんで夕食の後に一緒にいるのかって?
それはですね、家が隣なので毎日夕飯をいただいているんですよ。
奏の家でご飯を食べ、その後デザートとしてプリンをたべるといった習慣がついてしまったので、こうなってから、はや4年目。
もう戻れないですよね。
まあお互い自然体でいられる仲なので問題はないんだけれども。
「今日は色々あったけどプリン食べたら全部ふっとんだ!!」
「はあ...あんたのその能天気な頭が羨ましいわ。脳みそをぶんどってやりたいわ。」
奏は自分の食べているプリンを見つめながらため息をはいた。
奏の本性はこれ。
学校にいるときは基本おとなしいし、清楚系って感じなのにまあ家だとこんなもんだよな。
「にしても本当にいろいろあったな。」
そう、本当にいろいろありすぎた。
なんか俺は覚醒するし、奏はおかしくなるし、壁ぶっ壊れるし、校長室で倒れるしでたいへんだったなあ。
壁の修理費出したくないな、、、
壊したのは奏だけなのになんで俺まで、
「はあ〜」
思わずため息が出てしまう。
「あんたは頑張ってると思うわよ」
どうかしたのだろうか?彼女が突然褒めてきた。素直に、、、
よく見ると俯いた顔が真っ赤だ。
「そういや、今日の模擬戦の奏かっこよかったぞ。」
お返しだとばかりに僕は奏を褒めてみた。
「え、あっ、ありがとう、」
わかりやすく更に赤面して照れる奏。
口元がふにゃってなってる。
かわいい。
あ、そういえばステータス確認忘れてた。
なんか強くなってたんだっけ?
後で寝る前にでも確認しておくか。
ついでに思い出したことがもう一つ。
勇者の家についてだ。
ヨルムンガンドさん曰く勇者の家のうち、4家は操られているとかなんとか、、、
過去の俺とあと3家以外勇者じゃないなんて、、、これ政府もまずいんじゃ、、、
ていうか奏の家も勇者の家だよね?
でも、ヨルムンガンドさんの言ってた連絡装置に動きがないってことは違うのかな?
そう思うと少し気が楽か。
やっぱり幼馴染が敵になるのは辛いからな。
でもいちいち人を疑い続けるのってあまりにも大変すぎないか?
もしかしてこれから毎日こんな事考えながら生きていくのか??
んーやっぱりめんどくさい!
世界救うとか約束しちゃったけど、、間違ったかなぁ?
いやきっと俺の選択に間違いはない!
そう!俺は世界一美味しいプリンのためならばなんでもするのだ!!
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