第5話 大事なお話があるそうで、、、

『お、き、、、か?おいき...か?おい、聞こえるか?』


「ふぁっ!?」


俺は確かローゼ先生に捕まって校長室に強制連行にんいどうこうさせられたはず、、、。


「おーやっとこさ目が冷めたか。まったくローゼくんもそんな無理につれてこなくても、、、」


「え!?校長先生!!」


「君が上野零くんで間違いないね?いやはやローゼくんがちょっと強引につれてきてしまったみたいだね。任意同行を頼んだのじゃが、、、」


「あ〜一応は、強制連行にんいどうこうでしたよ。」


「そ、そうなのか?なら安心じゃな(?)」

そう言って校長先生は椅子から立ち上がる。


立ち上がる姿になにかしらの尊厳を感じる。

こ、これが校長先生の威厳!

なんかかっけえ!!


「それでは君に聞きたいことがある。」


「は、はい何でしょう。」


「まだ君はステータス鑑定は受けてないのかね?」


「あ、はい。まだ模擬戦だったので。」


「そうか、なら今ここで鑑定せしめよう。」


「スキル発動【鑑定】。」





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

i 【ERROR】:対象を鑑定するにはスキルレベルをLv?????????? i

i          以上にする必要があります。             i

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「!?な、何じゃこれは、いままでこんなこと起きたことは、、、」


「なにがあったんですか?」


「い、いやなぜか君のステータスが見れなくてな、、」


「これ自分なら見ることができるんですかね?」


「あ、ああ。そのはずだ。」


「よしみてみよう!ポチッとな!!」


*****************************************


【マスターの接続を確認】

....


【ステータスの確認権限を確認】

....

【本当に確認しますか?】


【はい】    【いいえ】


*****************************************


え?これ【はい】でいいのかな?


まいっか。





*****************************************

【マスターの承認を確認】

................


【ログインが成功しました】


―――ようこそマスター。


お久しぶりです。


ステータスは下のようになっています

ーーーーーーーーーーーー


【個体名:上野 零】


【年齢】16歳


【性別】男性



【レベル】1

ーーーーーーーーー

【体力】291/291


【攻撃力】750


【防御力】699


【素早さ】1289


【MP】0/0


【運】951


【?ras*】99999


【状態異常】神呪 

ーーーーーーーーー

【装備】なし


【契約竜】『炎焔神紅竜』

     『瑞氷神蒼竜』

     『碧風神翠龍』

     『地豊神黄竜』

     『月闇神妖龍』

     『雷閃神光竜』

     『世界真祖竜』


【称号】『勇者の記憶を継ぎし者』

    『八神竜の契約者』


【スキル】『????』

     

ーーーーーーーーーーーー


*****************************************


「え?」

ははっ、なんの冗談だよ、


勇者?なんだそれは。


七神竜が契約竜???


僕、、は、、、ちがう、俺は、


頭にノイズが走る。



突然頭の中に数多の人間の声が流れ出す。




「ああ、勇者様!」


「ありがとう!」


「勇者よ、よく」


「勇者様だ!」


「勇者様、。感謝いたします!」



あああ、違う僕は勇者なんかじゃない。


冗談はよせ!


は、ああ、じゃない!!だ!


俺は勇者じゃない!!


だから、それは、、やめっ


あ、頭がっ、、、







「まあ、あんなやつも最後ぐらいは役にたったか。」







「ぐああああああああああああぁぁぁ」


はなにかに引きずられていった。



ーーーーーーーーーーーーーーー

【校長視点】


「ぐああああああああああああぁぁぁ」


「ど、どうしたのじゃ、!?」


なんじゃ?どうした?


彼が自分のステータスを確認してから数秒後、突然叫びだし、そして


「あ、あ、、、、、、」


意識を失い、倒れた。。


慌てて駆け寄り脈を図る。


『ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド』


「な、心拍数が異常じゃ!!」


慌ててスキルを発動する。


「くっ、スキル【小回復ヒール】」

、、、だめかっ!!


ならば


「スキル【念話】!!」





『おい!ローゼ!!おるか?早く来てくれ!!』


『え?どうしたんですか?もしかして零が何か?』


『ああ。突然倒れた。取り敢えず来てくれ!』


『ええ!?わ、わかりました!!今すぐに!!スキル【転移ワープ】』




「校長先生!!彼はどこに!!」

【念話】終了後すぐに彼女が【転移ワープ】で飛んできた。


「そこじゃソファーで寝かせてある。」

慌てる彼女は場所を教えるとソファーに駆け寄る。


「スキル【全回復エキストラヒール】」


「ど、どうじゃ?」


「と、取り敢えず心拍数は収まりました。が、意識が戻るかは、、、」



心拍数の異常はおさまったものの、彼の意識が戻るまでは安心できない。


「そ、そうか。ならば医療室に運ぼう。念の為じゃ。」


「そうですね。それがいちばんですね。」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【花咲奏 視点】


試験がすべて終了し、HRが終わったあと、ローゼ先生に教室に残るようにと言われた。


試験でなにかやらかしてしまっただろうかと不安になりながら、帰る他の生徒を横目に教卓に向かう。


先生から告げられた一言は想像を絶するものだった。


『零くんが突然倒れてしまって、、、いま医務室にいるんだけれど奏さんは仲が良いようだったから伝えておきたくて、、。』


零が倒れた。この一言が私の耳を通り、脳に届き、それを理解したとき。


信じられないほどの衝撃がこの身を走った。



「う、うそ。だってあんなに元気に喋ってたのに、、、」


私はとても信じられなかった。





HR時零がいなかったが、別に不思議だとは思わなかった。


またどうせサボったのだろう。ぐらいにしか思っていなかったのだ。


だが、不自然な点が一つあったのだ。ああ。なぜ見逃してしまったのだろう。



【帰りにプリンを食べる約束】をしているのだ。


彼がプリンを捨てる?そんなわけがない。


違和感を感じるべきだった。




話を聞いた私は走り出した。



「スキル:【蛇感サーモ】」


スキルを使って医務室を確認する。

見つけた。ベッドの上に倒れている魔力量が0の人間。

間違いない零だ。


体温がある。

まだ生きてる。


そう思っても自らの目で確認するまでは止まれない。


医務室は1F。ここは3階。

飛び降りるしかない。


身体能力をフルで使い、螺旋階段を飛び降り、

医務室の扉を蹴り飛ばし、叫んだ。


「零!!!」


すると、、、


「しーーー」


人差し指を唇に当てながら静かにするように促している校長先生がいた。


しまった。他の人間はともかく、零に負担をかけてはいけない。


「す、すいません。あの、零はどうですか?」

落ち着いた私は先生に謝り、零の容態を聞く。


「取り敢えず心拍数は平常になったのじゃが、意識が戻らなくてのう、」

と校長先生は心配そうに零を見ながら言った。


「そう、ですか。」


零が生きているという安心感と意識が戻らなかったらどうしようという不安せめぎあい、複雑で落ち着かない。


ああ、彼に会いたい。



「早く目を覚ましなさいよ。プリン一緒に食べるんでしょ。」






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る