第4話 覚醒した。怖かった。けど先生のほうが怖かった。
どうしよう。仮にも七大貴族の息子さんぶん殴っちゃった。
しかも壁に突き刺さってたけど、死んでませんよね?
これ怪我してたら損害賠償とか言われる?
だんだん頭悪くなってきた。元から悪いけど。
「零、なにしたの?」
「あ、幼馴染」
「呼び方、おかしいわよ。」
「いえつい。」
最近心の中で幼馴染と呼びすぎてつい。
「で、零どういうことなの?」
「どういうこととは?」
ワンチャン違う話題かもしれな、、、
「しらばっくれないで。あの威力の攻撃を竜と契約無しでその上、魔力0のあなたができるわけ無いでしょうが」
知 っ て た
やっぱりそのことですよね。
「それは実は俺もあんまわかってなくて、、」
「また説明するのめんどくさがってるとかじゃなくて?」
「うん。本当にわからん。突然周りの景色が遅くなって、俺だけが普通に動けて、ちょっと力込めて殴ったら、、」
「ああなったと。」
「うん。正直自分でもよくわからない。」
実際問題なにが起こっているかわからない。
「まあ何かあったらまた言いなさい。幼馴染の好で助けてあげるわ。」
「おう。ありがとな。」
ありがたい限りだ。本当に俺には勿体ない幼馴染だな。
さて、どうしよう。このまま帰っちゃおうかな。
なんでって?
だって絶対怒られるじゃん。壁に穴あけちゃったし!!
怒られるのはめんどーー!!
「うーん。逃げ帰りますか。文字通り。」
「なんてこと私が許すと思ってますか?上野くん。」
全身に悪寒が走る。背後の気配に気がついた僕が振り返ると、、、
「あ、ローゼ先生、、、お疲れ様です!」
そこには威圧+迫力満点のローゼ先生が立っていた。
金髪美人だからか、余計怖い。
「校長室に来てくれませんか?あくまで
「え、えと遠慮しておきたいです。今日は早退しまs、グえっ」
首根っこを掴まれた。まずい。
「わあ、ありがとうございます!では行きましょうか校長室!!」
「会話が噛み合ってない気が、、、」
「いえ、いえ噛み合ってますとも!ね????」
ね、の圧が強い、、、ってなんか引きずられて、、、
首が閉まっ、、、
「わ、わがりまじだがら、くびねっごつかまないでぐだざい」
し、死ぬ、、、息があできない。
あ、、、
こうして僕の意識は闇の中へと引きずられていきましたとさ。
ーーーーーーーーーーーーーーー
【花咲奏視点】
れ、零が学年2位のあのカルトとやるの!?
ドキドキ、、、零が絶望してる!
かわいい!!
あ!こっちみた!
「それでは両者準備はできましたか?」
「はい。できましたが、できれば早く始めていただきたいです。こんな戦力外と戦うなんて反吐が出そうなので。」
また、いじめられてかわいい!!
じゃなくって、流石にまずいわね。
防御の術もない零があの攻撃をまともに受けたら致命傷になりかねない。
あのカルトのことだから自分の立場が悪くなるようなことはしないと思うから、、、
殺しはしないでしょうけど、それでもきっと半殺しにはするつもりでしょうね。
あの殺意なにか異常な気がする。
どうしよう。
「はぁ、それではお互い準備ができたことを確認したため、これより模擬戦を開始する。」
まずい始まっちゃう!!
「行くぞ、ゴミ!!こいっ『蓮武剣』!!」
あっ、零がゴミって言われてる!!
戸惑ってる顔かわいい!!
じゃなくて!!
「喰らえ、【スキル:『武王蓮剣術・俊』】。死ね!!ゴミ!!」
三度目のゴミに死ね!!零の顔がやつれてるわ!
かわいい!!
「「「「うぉおおおお!!」」」」
歓声が聞こえる!!みんなも零のかわいさに反応しているのね!!
じゃなくって!!!
ってしまった、悩んでるうちに攻撃が当たっ、、、て?
ドッッッツカーン!!!
わずか一秒後零が消えて、、、爆発音が響き渡る。
「零!!!」
闘技場の真ん中には先ほど消えた幼馴染の零だけが姿をあらわし唖然として立っていた。
「え?なにが起きたの?」
零が壁の方を見ている?
ん?壁には何かが刺さって、、、あれは?、、、カルト!?
なんでカルトがあそこに、、、
まさか零が?
冗談じゃない。零は魔力も契約竜すらいないし、一般人程度の力しかない。
そんな彼が学年2位の七代貴族嫡男に勝った?
しかも私にも見えない動きで?
あり得ない。そう思った次の瞬間幼馴染は消えた。
土煙を残して、
****************
あのあと彼の後を追い、話を聞いてみたが、彼自身にも何が起こったかわからないと来た。
闘技場から逃げた際も目視ができなかったことを考えると、身体能力が異常なまでに上がったと考えるべきか、、、。
結局わかることはなしか。
いやしかし、彼自身にわかっていないということから『スキル』や『魔法』ではないことがわかる。
その可能性は元からないのではと?
確かにこれらの力は竜との契約でしか得られないが、万が一というものがある。
実際に例外はいた。
七大勇者。彼らは竜と戦うために女神に『スキル』を与えられていた。
彼ら以外に例外はないが、与えられている可能性はあった。
が、彼が自分で自覚しない限りはそれらの力が出ることはない。
要はあれは現在知られている「力」ではないということだ。
彼とずうううううぅぅぅぅぅううううっと一緒にいるにはあの力を理解する必要があるはず!!
「私が、私だけがあなたを理解しているからね!!」
微笑んだ彼女は左手の薬指にはめている指輪に表情で恍惚としたキスをした。
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