第1話 おはよう。




―――ピピピピ、ピピピピ、ピ・・・


「あ〜、、」

憎たらしいアラームが俺を夢の世界から引きずり出す。


ムカついたから全力で叩いて止める。


そしてお決まりの二度寝に、、、



ピーンポーン


「おーい零?起きてる?早くしないと学校に遅れるわよ!!」



奏かぁ、

あー面倒なやつが来た。まあ放って置くか。今日はだるいし学校やすもう。



「へ〜、いいんだ。今日は新しくできた駅前のプリン屋さんのプリン買っておいたから学校から帰ったら一緒に食べようと思ったのになぁ。チラッ」



え?そんな簡単な罠に釣られるわけ、、

「なるほど、そういうことなら早く言ってくれよ!!さあ学校行こうぜ!」



あった。

俺の中の優先順位は


プリン>この世のすべて


だからしゃあない。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さっそくプリンのために制服に着替えた俺は、プリンのついでである幼馴染と登校中。



「で、今日の実技試験の勉強したの?」


「してるわけ無いじゃん。」




「はぁ、そんなんだから契約竜がいないのよ。」



なんて煽ってくる彼女に言う。

「へぇへぇ、どうでもいいすよ契約竜なんて。」


「あんた『無契約の無能』って呼ばれてるのよ?みんなにバカにされて悔しくないの?!」


「いいんだよ、それでも気にかけてくれる、もの好きもいるしな?」




そう言うと彼女は少し照れたように顔を背ける

「う、うっさい!」


「あれ?別に奏でのこととは言ってないけど?」

面白いしちょっとからかってみた。


「は、はあ?もういいわ!今日のプリンは抜き!!」


「ええ!?ちょまっ、わかったよからかって悪かった!謝るからそれだけは!!」

や、やべえ調子乗りすぎた!俺のプリンがいなくなるのは困る、、


「はぁ零ってほんとプリンに目がないわね、いいわよ別に。」


「よ、よかったぁ」





こうして今日も忙しい日常が幕を開けたのであった。




「で、あんた実技試験どうすんのよ」


学校についた。今日も怠い。その一言である。


今うだうだ喋り散らかしている彼女は『花咲 奏』俺の同級生で幼馴染。

黒髪ロング清楚系という見た目と相反する性格でツンデレだ。

生まれてこの方ずっと隣の家で、学園に学びに行くために、この要塞都市ジャルトニカに行くときも、


『私も受けるわ!!別にあんたが心配ってわけじゃないんだからね!!』


とツンデレ代表例かまして軽々合格してついてきた。


ここ、ドラコスト高等学園でも変わらず、俺の心配ばっかしてる世話焼きってわけ。ちなみに普通に優秀で、学年トップ10に入ってる実力者なんだよな。


俺とは段違いに強くて優秀。俺には勿体ない幼馴染だな。







かという俺は誰かと言うと『上野 零』16歳で高校一年生。


頭脳ほどほど、実技ほどほどで性格はめんどくさがり屋というゴミみたいな三点セット。

あ、ついでに髪は目を隠すほど長い。これで4セット。


プリンが好き。特に好き。

好物は?と聞かれたらプリンを無限に詠唱してしまうほどプリンが好き。


そして入学してからすぐに行う竜契約をしてない唯一の生徒。


その日はめんどくさかったから学校にいかなかったのだが、そのせいで契約できなかった。かなしい。(自業自得)


そんなこんなで、俺は『無契約の無能』なんてと呼ばれている。


まあこんな性格なもんで、テスト勉強なんてするわけもなく、寮に帰ったら夜ご飯食べて、プリンを食べ、風呂で体を洗い、プリンを食べ、歯磨きをし、プリンを食べ、寝る。これのルーティンだ。。


変えなければと思ったことはあるが、今更この生活習慣を変えることなんて不可能に等しいので、諦めたのだ。


「ねえ!ねえったら聞いてるの?」


「あーはいはい。聞いてますよ。」


「それぜーったい聞いてないときの反応でしょ!!」

と、怒った奏が突然頬を引っ張ってくる。


「いてててて、ごめん!ごめんって!俺が悪かったよ!だから落ち着けって、」



「はーい!!皆さん。席についてHRを始めますよ〜。」

突然聞こえる透き通った声に騒然としていた教室が静まり返る。


「くっ、先生がもう、、。なら仕方ないわ!後で、覚えてなさいよね!」


ふぅ、先生のお陰で一名を取り留めたぜ。

にしても先生は相変わらずの美人だよなぁ


『ローゼ・セルファー』

俺と奏のいるB組の担任で、『精霊帝竜シンフォニア』と契約している。


『精霊帝竜シンフォニア』は、

最上位に当たる七神竜の一つ下の位で、


最も上位の竜に当たる帝級エンペラーに当たる竜だ。




え?最上位は七神竜じゃないのって?

信憑性はないが七神竜は初代勇者達が『消えて』から姿を表さないらしい。

理由はわからないが、突然消えた。まあ消息不明ってやつだ。


よって現在の最高位は帝級エンペラーってわけだ。



そしてエンペラードラゴンは世界に10体発見されていて、それらはすべて契約者がいる。


それが七勇者の末裔たちと、ローゼ先生。そして残り二人は国防の剣帝と魔帝だ。


――――――――――――――――――

【竜の階級】

                                

神級:世界に7体  神術が使える              


帝級:世界に10体  スキルあり


王級:世界に50体   武器あり

ーーーーー旧時代以前以後ーーーーーー


上位級:7属性のうち2属性以上の属性を持つ竜、もしくは龍


中位級:7属性のうち1属性を持つ竜、もしくは龍


下位級:属性を持たない竜


――――――――――――――――――


王級以上の竜は旧時代と呼ばれる9000年前から生きており、知能が高く、テレパシーを使うと言われている。



「はい。皆さんおはようございま〜す!今日も元気そうで何よりです〜。もうみなさんが入学してから一ヶ月が立ちました。本日は、どれだけの魔力、戦闘技術、ステータスを有しているかを測定します!初めての実技試験!!頑張ってくださいね!それじゃあHRは終わりです。解散!」


実技試験、憂鬱だよね。クラス別だから少しは気が楽だけど、


しかもこの試験そもそも竜がいなかったら話にならないもんばっかだし、、、


まあ取り敢えず1限の魔力測定から行きますか、、、


こうして僕達は魔力測定場へと移動を始めた。












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