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手招きをするそのおばあさん。老舗の魔法使いの商いをしているという。
何百年も昔からいい伝えを青年に語る。
ある怪の話。
それにまつわり、ときおり旅人がいなくなるという噂だ。
くれぐれも気をつけるように…
おばあさんの声が風音に混じり、木々や草花が気をつけろと囁き歌い始めた。
青年は雨のしぶきに視界をさえぎられた、その一瞬でおばあさんの姿は消えていた。
宿に入ると冷たい視線を感じた。どうやらこの宿の主らしい。町に比べると小さな村だ、客人がめずらしいのか青年の頭の上から足の先まで瞬きもせず見ている。
一晩泊まりたいと告げる青年。
案内された部屋は少し雨漏りがしている。ポタッ、ポタッ…
ランプに灯りをともし荷物をドサっと置いた。疲れのあまり思わず杖を落としたその時、
「イタッッッ」
青年は驚き、思わず部屋を飛び出た。
恐る恐る部屋をのぞくが人の気配はなし。
疲れているのだ幻聴だ…と思ったその時、
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