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峠を超えた辺りで雨が降り出した。その時だ…

「うわっ!」

どこからともなく声がした。


周囲を見渡すが誰もいない。山道に慣れたさすがの青年も怖くなり走り始めた。


雨は止むどころか、激しくなるばかり。


急遽、峠を超えた村で宿を借りる事に。村に入ると草むらで罠にかかった野うさぎが目に入る。雨に濡れた野うさぎを気の毒に思い青年は罠をといてあげた。

幸い、簡単な仕掛けでケガもなかった野うさぎは一度振り返ると草むらへと消えてゆく。


まだ日は暮れていないが、この大雨では視界も悪い。

立ち寄った村に宿は一軒しかないようで、古くて怪しげな雰囲気だが雨に打たれるよりは…と一晩泊まる事にした。


ふと気配、入り口でおばあさんが話しかけてくる。

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