第一章 クモの森編

第一章 第一話 [逃避行の果て]

【現在のエルンのステータス】

LV: 1

体力: 3

攻撃: 1

防御: 1

俊敏: 1

知識: 2

精神力: 1


【手帳の中身】(父が残したもの)


ゴブリン


分類: 知恵のない小さな怪物。

生息地: 森や洞窟、村の周辺。

特性:

攻撃力: 弱いが、集団で襲いかかることで脅威となる。

防御力: 低い。

素早さ: 普通だが、狡猾で逃げ足が速い。

行動パターン:

夜行性で、暗い場所を好む。

他の生き物や人間の食料を奪うことが多い。

警戒心が強く、注意を引くと逃げることがある。

弱点:

知識や道具を使うことで、簡単に倒すことが可能。

大きな音や光に敏感で、驚かせることが有効。




第一話 「森の入り口」



エルンは村を後にし、草原を駆け抜けていた。


彼の心の中には、家族を探し出すという希望と不安が渦巻いている。


しかし、視界は暗闇に包まれ、周りの景色も自分の位置すらわからないまま、ただ足を進めるしかなかった。


不安と恐怖が胸を締めつける。


彼は疲れ果て、必死に逃げる理由を見失いつつあった。


周囲の音が全て不気味に響き、まるで何かが彼を狙っているかのような感覚に襲われた。


彼の心には、次第に絶望が忍び寄り、もし何か動物が現れて自分を襲い、殺してくれても構わないという痛々しい気持ちが湧き上がってきた。


生き延びるために必死で逃げていたはずなのに、心のどこかで終わりを求めている自分がいた。


その時、後ろから不気味な足音が迫ってくる。


エルンは振り返ることができず、ただ前へ、前へと逃げ続けた。


しかし、疲労が彼の身体を蝕み、ついには力尽きて地面に倒れ込んでしまった。


「もうダメだ…」


彼は横たわりながら、そう呟く。


死が彼を迎えに来るのを待つような感覚に浸り、全てを放り出したくなる思いが募っていた。


彼の心の中には、かつての穏やかな日々がちらつき、無邪気に笑っていた自分を思い出す。


そんな自分が、今はこの暗い草原で孤独に死を待つことになるなんて、信じられなかった。


「誰か、助けて…」


彼の心の奥で、助けを求める叫びが響く。


しかし、周囲にはただ静寂が広がる。


エルンは再び目を閉じ、疲労と絶望の中で眠りに落ちていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る