第6話:花の意味
刑事)
「で、例の花は種類は分かったのか?」
ベテラン刑事の飯島が新人刑事海苔巻あやめに訊いた。
「一応花屋にも聞きにいきましたけど、普通にチューリップでした。一般的なアーリースマイルって種類らしいす」
「なんだ、チューリップって1種類じゃないのか」
「花屋に聞いたら5600種類あるらしいすね」
それを聞いて、飯島はそれ以上深堀するのをやめた。白い色が200色あるというのはどこかのファッションモデルが言った言葉だが、一言でチューリップと言っても5600種類もあるのだと思うと、それ以上考えるのをやめてしまったのだ。
「切り刻んだ人間にチューリップ。どんな意味があるんだ、ちくしょう」
色々ひっくるめて怒りがわいてくる飯島。
「ちなみに、花言葉は『笑顔を見せて』『おしゃべり』『援助の申し出』ってことしたぁ」
海苔巻あやめは手帳を見ながら説明した。切り刻まれた人間が笑顔になる訳がない。死んだら喋ることすらできない。「切断」が援助なら自分は一生まっぴらごめん被ると花言葉と殺人がつながらないことは理解した。
どんな意味があるかは分からないが、切り刻んだ体と一緒に段ボールに花を入れるなんて犯人の悪ふざけにも怒りを見せる飯島だった。
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