第2話 ダンジョン高専
ダンジョンが生まれてから大体13年後だろうか?日本に、世界初のダンジョン専門の公立教育機関である、『東京ダンジョン高等専門学校』通称、ダンジョン高専が生まれた。世界初というと聞こえは良いかもしれないが、その実態は実験台。誰も出来なかった、誰も貧乏くじを引きたくなかったというのが本音である。そもそも、当時ダンジョンが生まれて13年経ったとはいえ、ダンジョンについてはほとんど何もわかっておらず、学説を証明することも難しかったことから、学会は卓上の空論がひしめき合う魔境だったという。その為、発表当初の世間一般の反応は、何を教えるの...?などの困惑の声が殆どだった。しかし、そんな中、この学校は生まれたのである。理由は主に二つ。
一つ目が、他国から多額の支援金をもらう代わりにと、ダンジョン教育機関のデータなどを提供し、ダンジョン教育の最適解を模索するため。確かにノウハウも何もない状態ではあったが、そんな状態で何十年も過ごしていたら、大きすぎる損失が生まれてしまう。ダンジョンダンジョンと同じ言葉を何度も言って申し訳ないが、そのくらいこの存在は重要なのだ。その理由はいくつもあるが、特に大きいのが、資源である。
例えば、ファンタジー小説の代名詞といっても過言ではないであろう魔石。それも実在する。例えば、最も低品質と呼ばれる1cmほどの、雑魚系統から取れる魔石ですら、それ1つで石油2L分くらいにはなるのだ。
そんな資源を得るためにも、次世代の育成は急務。そのため、エネルギー資源にも乏しく未だに勤勉だと言われ続けているこの国は、お試し教育機関の設置には最適だったのだ。
二つ目が、ダンジョンに若手を送り込み、調査などをしてもらう為であった。当時は、いや、今も、ダンジョンに無断で未成年が立ち入ることは禁止されている。その理由は単純。危険だからというものと、ダンジョンという大きすぎる責任に応えられるほどの責任を背負うことはできないし、背負わせるべきでもないから。
あと犯罪に利用されそうだから。
しかし、未成年者でも人手はどんなにあっても困らない。学校の授業と言い、ダンジョンに連れて行くことで、法の穴を掻い潜り、未成年も問題なくダンジョンに送り込むことが可能になるのである。
まあつまり、要約するとこうだ。
「大国にデータを渡す代わりに日本は金をもらって教えることのない教育機関を作った」
「その教育機関を使い、学生に危険が及ぶ学習を強いた」
文章は汚くて分かりにくいが、それと同じくらいやることが汚いな、と思う。
まあ、私はそこの生徒なのだが。
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次回から本編スタートですよ!説明ばかりだけどそろそろ楽しいことが...?
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