ダンジョンが生まれて20年。定型魔法しか使えない世界で自由魔法を編み出したので、ダンジョンに住もうと思います。〜どうやら魔法を書き換える力は史上初だそうです〜
あるみゅーる
第1話 プロローグ-世界が変わった日
日本時間2030年1月1日0時0分、世界中がいつも通りの年明けムードに包まれていた中、突如それは起こった。
『第一次大神災』
世界中で同時に、同じ時間震度6強以上の地震が起きたのだ。縦揺れ型であり、のちの検証によって揺れの周期なども同じだったとされている。不自然なくらい揺れが綺麗だった地震は1分ほどで続いた。しかし、その反面建物の倒壊被害は殆ど確認されず、日本やヨーロッパ圏などでは負傷者がほとんどいないという異常なデータを叩き出していた。そのため、地震が起きた直後は、被害がほとんどなかったことから名付けられた「零型地震」であったり、今まで通りのプレートによる地震では説明がつかないことから「磁場型地震」「新型地震」など、様々な呼称がされていた。一応補足すると磁場なんかは全く関係ない。
他には地震の予測技術が世界でもトップクラスに進んでいた日本でさえ、まったく予測ができなかったこともあり、異常気象の一種なのでは?などと言われることもあった。
さて、読者が第一次と書いて最初に浮かぶのは、第一次世界大戦だろう。あの戦争は元々、第一次などとは呼ばれていなかった。第一次と呼ばれるようになったのは第二次世界大戦が起きてからなのだ。つまり、第二次が起きたから第一次、第二次と呼ばれるようになったのである。そして、『第一次大神災』の命名が為されたのはこの翌日だったた。
世界標準時2030年1月2日0時0分
『第二次大神災』
縦揺れ型と横揺れ型の特徴を併せ持った揺れが2分ほど続いた。想定M12.8相当とも言われる揺れは、2011年の東日本大震災よりも大きかったとも言われており、日本でも地震による混乱が大きかった。しかし、死者や倒壊家屋はある程度発展している国なら0が殆どだった。
その地震と同時に、液状化現象のような形で地面から出てきたと言われているのが、ダンジョンである。
ダンジョンの出現と同時に起きた最初のダンジョン災害、通称『魔災』により、ダンジョンが既存の構造物がダンジョンに乗っ取られるという事態に陥った。因みに当時、それらの建物の中にいた人達は何故か建物の外にいつの間にか転移のような現象で移動させられていたという。
因みにだが、同じような小説によくある、スタンピードなどは全く起きなかった。
理由は色々考えられるが、一番有力な理由は、「外に放出できる魔物とエネルギーの余裕がなかった」というものだ。ついでに言うと、この考えが最有力になったのは放置し続けた海底のダンジョンでスタンピードが発生したからである。
そして、ダンジョン出現とともに、人類は新たな力に目覚めた。
魔法である。
この世界における魔法は大きく分けて3種類。
1つ目は、魔法に目覚めたのと同時に、人類に芽生えた新たな力、『スキル』を使用するもの。スキルに関してはファンタジー小説にあるものとほとんど同じなので、説明は割愛する。これはそのままスキルと呼ばれる。
2つ目は、石板などに描かれている魔法陣や、呪文を詠唱して使用するもの。詳しくは儀式魔法と呼ばれる。
3つ目は、ダンジョンからドロップする魔導具や魔石に封じ込められた術式に自身の魔力を注ぎ込むことで起動させるもの。これに関してはものによって性質が全く異なることなどから、決まった呼び方はない。
魔法について長く書いていたが、わかりやすく言うと、元から用意されている魔法を人類が使っているだけであり、自由に魔法を作り出したりすることはできないのである。
そしてこの物語は、そんな世界で魔法を自由に編み出し、世界中から注目されたり、魔王に魔法を教えたりするお話である。
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