第2話「妹として...」
「いやお母さんこれは!。」
「妹と仲がいいのね」
俺は妹という言葉が脳内でこだましていた。
(妹って)
(俺には妹が・・・)
そっとアイツの顔を見た。
すこし頬を赤らめた。
(おめぇーかよ)
(もうお母さんと協力してるのかよ)
(早すぎるだろ)
「あっそうだ!カレーの作るルーと肉が無かったんだよねー買い物行ってくれる?」
「行きまーす!」
「行かしていただきます」
「じゃあお願いね」
バタン
「お、おまえ妹なの?」
「はい♪」
「妹設定でやらせてもらってますぅ」
「妹設定って・・・」
「フィクションの世界でしか聞いたことないぞ。」
「だってフィクションの世界から引用したんだもん♪」
アイツは端末を俺に見せてきた
「それはタブレットってやつ?」
「キミたちの世界ではそう言われているよね」
「私の星では液板って呼ばれているんだぁ」
「えぇそうなの?」
「まぁ嘘なんだけどね」
「嘘なんかい」
「まぁ支給されているものだからよくわからいんだよねぇ」
俺はこのタブレットのようなものが気になるが、妹設定というあまりにも怪しすぎる要素が周りの人にバレるのではないかと考えている。
「私が妹という設定がバレるんじゃないかと思っているんでしょ?」
ゴクリ
俺はツバを飲んだ。
「大丈夫♪」
「私がきみの家に来る前に地球全土に洗脳をしたからね」
(さらっととんでもないこと言ったぞ)
「まぁ1年だし」
「宇宙人とバレるとめんどくさいし」
「地球を満喫したいし」
「些細なことだよねぇ」
「そうだね」
俺は考えることを放棄した。
(スーパーに着くまで徒歩10分)
(アイツと何を話せばいんだぁ?)
俺は家を出た後にそう思った。
「私、スーパーマーケット初めてなの」
「他の星になかったの?」
「なんかでかい建物があって洋服とか電化製品?とか日用品と食料品が売っている所があって」
「そこでしか買い物してなかったから」
「食料品と日用品しかない店に行くの初めてなんだよね」
(あれ?スーパーマーケットって)
俺は家に帰ったらこの言葉を真っ先に調べようと思う。
「シャワーとシャンプーは買わないとね」
(シャワーってノズルのこと言っているのか?)
(それとも本体?)
(いやそんなもの最寄りのスーパーマーケットにはないぞ)
「シャワーって何?」
「体を洗うやつだよ」
「もしかしてボディーソープのこと言ってる?」
「いやこれ見てよ。」
アイツのタブレットを見るとどうやら英語圏のかたのブログを見ているのがわかる。
「へぇーこっちの地域ではそう呼んでいるんだねー」
(めっちゃ勉強になったありがとう)
(海外行ったときに実際に見てみよう)
(海外に行く予定ないな)
(あっ留学のできる大学に行けばいいのか)
(進路先まで決まるなんて今日は最高の日だな)
「シャンプーはちゃんと見て買わないといけないんだね」
アイツはタブレットを見せてきた。どうやら日本人が書いたブログが載っている。
シャンプーで失敗した話。
君島五郎
私は初めて海外旅行に行った。英語は得意ではなかったが、一度は日本を離れるのも悪くない。異国の文化を実際に体験するかしないかでも人生観はまるっきり変わる。そんな私が失敗したお話です。
私は海外のスーパーに行ってきました。日本とは何が違うのか気になったので入ってみた。
すこし日本のコンビニのような感じがした。
しかし、シャンプーやボディソープが売っている。あいにく私はシャンプーとボディソープを持っていかなかった。かさばるというのも理由の一つだが、異国のボディソープとシャンプにはどんな違いがあるのか気になっていたのもある。私はまずボディーソープを選びに行った。たくさんのボディソープが置いてある。
日本で売られているものを買った。
(どうしてだよ)
俺は読みながら心の中でツッコミをした。
そして、シャンプーなんだが、これが難しかった。あまりにも多すぎて選びずらい。とりあえずかわいいイラストが描いてあるシャンプーにしよう。その夜、私は試したのだ。シャンプーを。最初は泡立たなかったが一回洗い流してみたらなんと泡立ったのだ。2回も髪の毛を洗うというのは少し面倒だが、こういうもんなんだろうなと私は思う。
しかし、不審に思ったのだ。俺はシャンプー裏の文字を読んでみることにした。英文が書かれている。とりあえずわかる単語だけでも確認をしよう。私はとんでもない単語を目にしたのだ。Baby’s hair そう私は赤ちゃんのシャンプーを買ってしまったのだ。どうりでおかしいと思ったのだ、2回も洗わないといけないところが。みなさんも赤ちゃんのシャンプーを選ばないように気をつけてくださいね。ちなみにボディソープは日本のものと変わらなかったです。
補足、赤ちゃんのシャンプーは使い切りました。確か3ヵ月ぐらいはかかったと思います。ご参考までに。
「こういうことがあるから君と一緒にスーパーマーケットに行きたいと思ったんだよぉ」
「いやそんなこと絶対にないと思うけど」
「えぇ?そうなの」
「ここがスーパーマーケット?」
「そうそう」
「香ばしい匂いがするね」
「とりあえず全種類ひとつずつ下さい」
アイツは真っ先に焼き鳥屋に行った。
「そこスーパーマーケットじゃないから」
俺はアイツを引っ張りながらスーパーマーケットに向かった。
「焼き鳥食べたかったぁ」
「カレーのルーとお肉買ってお金が余ったらね」
俺は財布を見た。
(焼き鳥2~3本ぐらいは買えるぐらいはお金が余るかな)
「カレーは断然甘口」
「辛いカレーをなんとか食べようとして甘いのをいっぱいかけて食べたらカレーではないデザートになったから」
「甘口じゃなきゃダメなの」
(それはまずそうだな)
よしこれでカレーのルーはOKと
「次は肉だな」
「ふふ鳥かな」
「こいつ、焼き鳥で頭がいっぱいだぁ」
「カレーに使うのは牛肉だね」
「オージービーフってやつ」
「そんな高いものじゃねーよ」
「焼き鳥買えなくなるわ」
「まぁこれかな」
俺は牛小間肉をかごに入れた。
「レジに行くぞ」
「はいはーい」
「お願いします」
「律儀やなこいつ」
レジ店員にお辞儀している。そしてアイツは
いろんな方向にもお辞儀をした。
(お辞儀多くない?)
(はっ!)
(もしかして卒業式に時に見る)
(妙に先生お辞儀しているなってやつだ)
(今の自分には理解できないってところまで再現している)
(いや意味わかんねーわ)
俺たちは会計を済ませて焼き鳥屋に戻った。
「私ね迷っているの?」
「1種類で4本も買わなくちゃいけないから」
「4本?」
「たれとしおと保存用で4本」
(保存用ってなに?)
(本でしか聞いたことねぇ―よ)
「まぁタレと塩で2本でいいんじゃないかな」
「そうしよう♪」
アイツは納得したみたいだ。
(保存用はどうしたの?)
(もう忘れちゃったの?)
俺はこのことをついて考えてはいけないのかもしれない
「キミは何にするの?」
「にんにくま」
「女の子いるのにそういうのにするんですね」
「欲望に忠実なんです」
ピキン
なにか効果音がなったような気がするが気のせいだろう。
家に帰ってきた。
(俺はものすごく疲れている。)
(できればお風呂でゆっくりと湯船に浸かりたい)
「お母さん風呂沸いてる?」
「もちろんよ」
(よし!)
(あれ?なんか・・・)
(まぁいいか)
俺は体を洗った後、湯船に浸かる。
「はぁー」
「疲れたぁ」
「今日の出来事はかなり濃かったなぁ」
「これからアイツと1年間一緒の家で暮らすのか」
ぶくぶく
「なんか嫌だなぁ」
バン
「妹と言ったらお風呂に入るもんだよね」
「いやああああ」
「なんで裸なんだよ」
「いやお風呂に入るから」
「あっそうか」
「妹は兄ちゃんと一緒に風呂に入るもんなんです。」
「そうなんだぁ」
(だまされんなぁ俺)
(聞いたこともないし見たこともないぞ)
「しかしおめぇさん妹いないからわからねんじゃねーか」
俺の頭の中のおっさんがしゃべる。
(確かに)
(俺妹いねぇーじゃん)
(わかるわけないじゃん)
(よーし)
(ラノベ展開楽しんじゃうぞ♪)
「なーに想像してたの?」
耳元でささやくアイツ。
「へぇ?なんにもなんにもです・・」
「私のか・ら・だ」
「湯気で隠れているのに興奮したでしょ」
「もろ見えですけど!」
「何が湯気で隠れているのに興奮したでしょだ」
「アニメ的な表現が現実にあるわけないだろ」
「いや見えてますよ」
「ほんと?」
「じゃあ変態って叫ぶとこだよね?」
(やめてその質問)
(返答に困るから)
「キミってお母さんの裸見たことあるんだ」
「いやまじでその質問をやめて」
(あれは中学の時、お母さんがタオルを忘れて裸でタオルを取りに行ったことがあった。あまりにも堂々としすぎて俺は下ネタを考えることをやめようと考えた。
数時間後。お父さんがタオルを忘れて裸で恥ずかしそうに局部を隠しながらなよなよとタオルを取りに行くのを見て俺は下ネタを考えることをやめようと考えるのを放棄したんだよな。)
「えぇーそんなことがあったんだ⁈」
「えっ?聞こえたの?」
「どこから」
「あれは・・・から」
(最初からじゃねーかぁ)
「きゃあああああ変態」
俺は風呂場を出た。
「なんか逆パターンになっちゃったな」
「私もラノベ展開やりたかったぁ」
【残りのパンツの枚数9枚】
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