Day08 雷雨

 彼が現れる時は、いつも雷鳴が轟き、大粒の雨が窓を叩いていた。サァッと風を帯びて叩きつける、滝のような水の帯。恐ろしいのに目が離せず、僕はずっと窓辺で嵐を見ていた。

 そんな時に、彼を見た。黒々とした雲の向こうで、黄金色の稲妻が走った。

 そこには顔があった。笑っていた。輝く白い牙を剥いて、ケラケラと。雲と比較しても、あまりにも巨きすぎる体。僕の目は釘付けになった。

 それから毎年、嵐の日は彼がいないか探してしまう。雲の間を駆ける雷光の脚、雷鳴に混じる笑い声を。

 もうすぐ僕は成人する。今も僕は彼を探す。僕以外の誰も気づいていない。彼はどんどん近づいてきている――巨人がその黄金の体躯を現して――ああ。

 目が合った。

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