第2話 汚物は消毒!これ常識!

 「ふぅ……興奮しすぎたみたいだな。それより今の俺には大事なことがあるというのにな。ではいくぞ!"ステータス"オープン!!」


 テンプレに夢中で狼牙は気付いていないもののここは洞窟のような空間だった。


 "オープン…オープン…オープン…オープン……"


 (めっちゃ響くじゃん)

 

「………………………………よし、敵情視察と洒落こみますか。」


 牙狼くん、恥ずかしかったんだね、どんまい!でもね、君はなまじ記憶力がいいせいで当分忘れられないと思うよ!どんまい!


「こっち見んな!さてと……第一村人?魔物?は何かなぁ〜スライムとかかなぁ〜D&D的な強強スライムはお呼びじゃないからね。あ……」


 何気なく上に視線を振った彼の目にはグロテスクな粘性体がいた。


「殺意マシマシですやん……」


 彼は知るよしもない事だが彼は斥候。その不定形の体を活かした偵察を行っていた。故に彼が入ってきた瞬間の奇襲は行わなかった。しかし粘性体スライムは彼を殺す最初で最後のチャンスを逃してしまったのだった……


「見るからに物理攻撃効かなそうな……よし、撤退!」


 観察に務めていた粘性体はみすみす彼をダンジョン外に逃がしてしまった。知識は財産である。経験は武器である。次に彼がダンジョンに入ってきた時が粘性体の最期であr──────────


「ここにあるのは油とマッチでーす!粘性体くん!君にプレゼントだ。」


 ある程度情報を収集して彼を殺そうと地面に落ちてきた粘性体を避けた彼は油を粘性体にかけ、仕上げとばかりに火のついたマッチを粘性体目掛けて投げるのだった。賞賛すべきは彼の投擲センスであろう。粘性体の避け方を読んで見事に命中させた。残念な点はマッチをつけるのに手間取った点であろうか。フッ…だっさwww


「ふむ……こっちを監視してるやつをぶち殺すためにも強くならないとな。あと情報収集も。さっきので体の調子が良くなった気がするしレベルアップしたか?いや、魔力的な何かを取り込んで自己強化していく系かもしれないからそこは要検証だな。でも念の為に……"ステータス"オープン!!」


 "オープン…オープン…オープン…オープン……"


「何だよぉおもおおお!またかよぉおぉぉおおおお!」


 草www

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エリート厨二病患者の迷宮探索 結城 優希@毎日投稿 @yuuki58837395

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