第21話

「依頼の内容は移動しながら聞く」


「別にそんなに急がなくてもいいんじゃない?」


「3日も寝ていたから体が鈍っている」


「それなら地下室を使えばーー」


「悠長にしている暇なんて、ない」


「‥‥」


「そんな時間は、私には許されない」


「‥‥」


「戦わなければ、生きることも許されない」


「ルツくん、君のことを待ってたんだよ」


「‥‥」


「君が目を覚ます時に間に合うように、普通なら1週間は掛かる仕事を3日で終わらせてきたっていうのに、流石に薄情なんじゃない?」


「関係ない。私がルツにしてあげれることなんて一つもない。今までも、これからも」





今更、人間のフリをして誰かに情を抱くことは決してない。



散々人の人生を踏み躙っておいて、たかが一人のためにその足を止めたりしない。











全ては、宿命の為にーー。

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