第18話
◇
薬を飲んで眠ると丸3日何があっても絶対に目が覚めず、起き上がるまでに1時間近く掛かってしまう。
けれど、いつもより意識が鮮明になるのが早かったのは、傍で寝入っているルツのお陰だろう。
夜目がきくこともあり、亜麻色の髪から辛うじてルツであること認識できたが、普通の人だとこの暗さでは何一つ見えないだろうに。
保護した当初は、酷く闇を恐れていて必ず明かりをつけて寝るようにしていたくらいだ。
地下室の鍵はヨルの持っている一本しかないから、彼が入れたに違いない。
「ルツ」
「‥‥」
「ルツ、起きて」
戻ってすぐに眠ってしまったから依頼の報告も終わっていないが、深い眠りについているルツに起きる様子はない。
それどころか、腕にぎゅっと抱きつかれてしまった。
ゆっくり休ませてあげたいところではあるが、暗闇に一人で置き去りにするわけにもいかず、起こさないようにそっと抱き上げると、通信機を使ってヨルに鍵を開けてもらうように連絡を入れた。
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