学サー1-20
数日が経ち、みつきさんは待ち合わせ場所にカレーバーを指定してきた。現れた僕に「おぅい、こっち、こっち」と手を振る。ちらほらと目につく男どもが視線を奪われていた。店の冷気に
「私、サグパニールで」
みつきさんが聞き慣れぬ品を注文する。僕も慌ててメニュー表を
「まず、聞きたいことがたくさんあるんですけど、後藤先生はどこに消えたんですか」
僕はそう発した。口にしながらまだ喉が渇いていた。グラスを引っ掴み思うまま水を流し込んだ。出がけのニュースで今季一番の暑さと言っていた。差し込む日差しから疑うべくも無い。みつきさんは今日も涼しげな格好で現れた。流れる汗をおしぼりで抑える僕を見やりみつきさんは目尻を細める。
「その前に、新庄さん、まずはお手伝いくださりありがとうございました」
そうやってお茶を濁すつもりなので無いか。ややあって
「ん、分かった。正直に答えよう。信じないだろうけど」
「信じるとかってのは分からないですけど、僕だってもう当事者なんです。ももかさん、後藤先生はあなたがどうかしたんですか」
「違う。失敗した。逃げられた。私の手で消してやりたかったけど。駄目だった。それにあいつの本当の名前は後藤じゃ無い」
「偽名ですか。何のために。そもそもあなただってこれ
「ああ、殺そうとした」
店内が閑散としていて良かった。僕はそう思った。みつきさんの目に少し火が灯った気がした。みつきさんの語気は強かった。冗談とは思えなかった。僕まで悪者と見られてしまったらどうしようと、僕はそんな焦りから周囲を警戒し、誰の目もこちらを向かぬことに胸を撫で下ろした。
「信じろとは言わんよ。
ああ、本当に突拍子も無い。まだ
「後藤先生が、その、五稜なんとかが悪者だとして、なんでももかさん、や、下河辺さんが」
「みつきで良いよ、少年」
「はい、じゃあ、みつきさんがなんで」
「殺そうとしてるのかだろ」
ここでサグパニールとやらが運ばれてきた。緑色のカレーだった。店員に話を聞かれるのが
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