学サー1-3
数えて五代目の長に就任したばかりの菊池さんは本年度一回目の昼食会で早々にヘイトを買う。新入生の前で舞い上がったか、酒類禁止の昼食会だというに一人で酒をパカパカと開けやがり、女店員に粉をかけ、あげく盛大にゲロを撒き散らし轟沈した。汚物に塗れたジャージを剥がしまだ肌寒い風の荒ぶ裏通りに投げ捨てながら、メンバーの
「でさ、ちょっと最近気持ち悪いことあって」と渚が発す頃には、僕はコーヒーをすでに飲み干していた。渚の背後でみつきさんがちょうど伝票を手に立ち上がったから、僕は渚の話をあまりよく聞いていなかった。みつきさんの背はまるで天から吊られでもしているかのごとくしゃんと伸び、やはり僕をはじめ周囲の
「ちょっと、聞いてる?」
「うん、だからおもちゃのネックレスて話だろ」
「そう。怖くて」
「朝起きたらネックレス落ちてるて、言われても」
「自分ちの床によ。床。自分ちの。見慣れないのが」
「言われてもなぁ。しかも放置してたらいつの間にか消えてんだろ。疲れてんだって」
渚が紙ナプキンをくしゃと丸める。目覚めたら見知らぬネックレスが落ちており、気づけば忽然と消え失せるのだと。本当ならばたしかに気味が悪い。けれど施錠に問題が無いとして侵入者とは考えづらい。渚も何か疲れているのだろう。こんなこと、気のせいでなければ何だというか。
渚は他にも色々と訴えていたように思う。これがみつきさんとのファーストコンタクトであり僕らの巻き込まれた事件の
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