T:  真・ラストバトル×1

「こんなときイリアがいれば……」


 イリアは今養生中だ。ファイナルテーブル参加者のみを集めたのが裏目に出た。


「イリア・クロスフィールド。彼女がいても無駄ですよ。エーテルって魔力を通すんですよ。魔力は大気中のエーテルを変化させるから当然ですよね。大気中のエーテルはそもそも私の世界ですからね。あなた方の能力は、私が付与しているようなものです」



――マリアロスが語る。


 私の世界は侵食するんです。


 楽しかったでしょう。


 楽しかったですよね。


 皆の大好きなふぁんたじーでぼうけんな世界は。スキルや魔法の世界は。


 あなたもあなたもあなたもあなたも。


 与えられたスキルはみーんな私の世界の派生物。



「私をとめたければ地球人バテレンを連れてこい」

「スロア教もお前の差し金だったんだな」

「ええ、ええ。スロア教あぁ。お遊びで増えに増えまくったいらない世界をぶっつーり潰すのには便利でした。世界は私ひとりでいい」

魅了チャーム!」

「それも私のものだ。私のものが私に効く訳がないだろう?」




 魔王を倒せて良かった?


 ねえ良かった?


 良かった?良かった?良かった?良かった?


 勇者が来ること願えば? 探偵とか王都御都番でもいいぞぉ。


 私をたおせ――


 マリアロスが硬直する。


 眼に手裏剣が刺さる。顔を押さえたマリアロスが凄い形相で入り口を睨んだ。


「そこにいたのか! ……真城つばさァッ」

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