第7話 妹の友達は誘ってくる。
僕はつかさちゃんの誘いを断り切れなかった。
Tシャツを脱いで上半身裸になると、彼女は「ほぉ……」と息を吐き出す。
「はぅ……はるたさん、ほっそりしてますね」
僕の胸にそっと触れながら、つかさちゃんはうっとりした声で言う。
年下なのに、表情から声色から話し方まで、なんでここまで色気があるんだろう。この色気はただ単に僕が彼女を好きだからってわけじゃないと思う。
つかさちゃんの手は僕の体を確かめるみたいに、ゆっくり優しく撫でてくる。その手つきがまたいやらしい。
僕の体なんて、筋肉も大してないし、肌は白いし、女の子みたいというほどでもない中途半端な貧相なもの。色気なんてちっともない。
それでもつかさちゃんは僕の上半身をじっくり眺めていた。
これはやっぱり、何か、来るものがある。
「やっぱり……女の子と全然違いますね。兄妹でもみあちゃんと全然違う……」
「妹とそんなことを」
「あっ⁉ いえ、そんな、変なことはしてませんよ! えっちなことじゃなくて!」
つかさちゃん……妹の胸も触ってたのか。
別にだからどうっていうわけじゃないんだけど、遊びというか、興味津々な行動はしてたってことか。
今もそうだ。見るからに興味津々って態度で僕の胸を触ってる。
決して性感帯とか、そんなんじゃないけど、変な気分になってくるのは仕方ない。
「ふぅ、ふぅ、乳首もきれいで……」
「つかさちゃん?」
「えっちな意味ではなくて!」
本当かな?
まあ、今となってはそれでもいいというか、嬉しいことにすら思うけども。
つかさちゃんは徐々にどころか一気に遠慮がなくなっているわけで、結構べたべた触れてくる。僕の胸を撫でまわしながらご満悦の表情だ。
「むふ~」
「嬉しそうだね」
「いえいえ、そんな……えへへ♡」
謙遜なのかな? そんなわけないか。
触れていると言えばそれだけなんだけど、どんどん変な気分になってくる。このままじゃまずい気がしてならない。
一応抵抗のために彼女の手を取ろうとしたら、片手でぎゅっと握られて、もう片方の手で結局体を触られた。
あんまり抵抗しても意味ないみたい。
少なくとも僕の意思は伝わらなかったようだ。
恥ずかしいけど嫌な気持ちはしていない。
嬉しそうにハァハァしてるつかさちゃんが、ようやく僕の視線に気付いた。
「はるたさんも見ます?」
「えっ……う、うん」
もうこうなってしまっては断ることなんてできない。
これだけ僕が見られて触れられてもいるのに何もなしなんていうのはもはや辛い。みっともないと思われようがその意見はもはや変えられなかった。
つかさちゃんが名残惜しそうに僕の体から手を離して、自分の服に手をかける。
僕の心臓が大きく高鳴ったのがわかった。
「ふふふ♡ 前のめりですね」
「あ、いや……まあ」
否定できない。
僕が何を思っているかなんて、きっと掌の上で転がすみたいにわかられてるんだろうと思ってしまう。
でもそれは、今となっては僕も同じ。
つかさちゃんの笑顔はわくわくしているようにしか見えない。
「こんなの見せるの、はるたさんだけですからね……?」
思わず喉が鳴ってしまった。
つかさちゃんがシャツをゆっくり脱いでいく。その速度ですら色っぽい。
あらかじめ聞いていたとはいえ、水色のブラジャーが見えると、それだけで自分の顔が熱くなっていく。
「はぁ……や、やっぱり、恥ずかしいですね」
そりゃあそうだろう。
冷静になると部屋の中とはいえ上半身裸になってる僕だって恥ずかしいし、改めてバカみたいだ。
「はるたさん……んっ」
つかさちゃんが、自分から僕の顔を胸元に抱き寄せる。
当然、水色のブラジャーに包まれているそこに顔で触れるわけで。
もうちょっと色々とおかしくなりそうだった。
「しちゃいましょっか?」
え……いや、それは、やっぱり、ちょっと……。
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