第13話
外に出たのはいいが、私も無名も普段から出歩かないせいで特に行く当てもない。
結局近くのショッピングモールに寄った後、適当な店に入って食事を取った。
その間、私たちの間に会話は無かった。
殺風景な無名の部屋に何か置いてあげたいところではあるが、そもそもお金を持っていない。
寝てる間に連れ去られ、私物は全て没収されている。
時雨からは必要最低限のものしか与えられていない。
それも日用品だけで、金銭的なものは持ち合わせていない。
だが、四六時中時雨か無名かは必ず側にいるからそれで困ったことは一度もなかった。
バイトを辞めさせられた時に、学費や生活費を稼ぐためにも働かなくてはいけないと反発したけど、全て自分が払うと勝手に決められてしまった。
赤の他人にそんなことをしてもらうのは絶対におかしい。
もうすでに払われている分もすぐに働いて返済するから私を解放して、と交渉した時は本当に酷い目に合ったものだ。
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