第9話

「あいつ、そんとき俺の顔見てなんて言ったと思う?傑作だよ、もう。」



「なんて言ったの……?」



「雨夜君、誕生日おめでとう。最高の誕生日プレゼントでしょ?って。」



「ありえない………」



「彼女はさ、俺が来ることなんかわかってなくて顔面蒼白になってた。俺は自分の誕生日に一番の親友と命より大切な彼女を同時に失ったってわけ。」



「……………」



「あいつは、平気で親友の女を寝取ることができる欠陥人間なんよ。俺は現実を受け止めることができなかった。世の中の全てが信じられなくなって人間不振になったわ。」

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