第8話
雨宮 葵―――…
悔しいことに御手洗の本名がわかったところで私にはどうすることもできない。御手洗は今どこで何をしているんだろう。私を探していると思うと生きた心地がしない。
あの男が本気になれば、このアパートに隠れていたとしても必ず見つかる。先輩には迷惑かけたくないのに私には帰る場所もなければ金もない。
「俺と葵と、もう一人幼なじみがいたんだけどね?そのこは女の子でさ。俺ら三人はいつも一緒に行動してた。」
「……………」
「俺は、その女の子のことが死ぬほど好きだったわけよ。自分よりも大事な人で、とにかくそのこに気にいられるために必死だったのね。葵もずっと俺の恋を応援してくれてて。そしたら、そのこも俺のことを好きになってくれて。小学六年ぐらいから俺らは付き合い始めたわけで。」
「はい………」
「中学二年ぐらいのときかな。幸せの絶頂期だったころに、突然葵から話があるから家に来てって言われて。その日は俺の誕生日だったんだよ。だから、なんかしてくれんのかなって楽しみにしながら家行って部屋に入ったら、葵と俺の女がベッドでエッチしてたんだよね。」
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