第10話

――――――――中学生のとき





親友の女を奪ったことがある





親友の目の前で犯してやった





親友は死ぬほど泣いてたけど





俺にはなんで親友が泣いているのかわからなかった――――――――




「御手洗が言ってましたよ。親友の彼女奪って謝りもしなかったって…。あれは…雨夜先輩のことだったんですね……」




「謝るどころか、“奪われるお前が悪いから俺に謝ってよ”って言ってきたわ。」



「なにそれ………」



「イッチーに告白されたとき、俺は嬉しかったよ。過去を忘れるために付き合いたかった。でも怖かった。また葵に寝取られそうな気がして。結局俺は自分を守るために逃げたんだよね。葵からも現実からも。」

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