第1話 涙
「
「なんでぇ?」
「いや。なんでもなにも、学校でしょ?」
「あ。あっ!?」
なんのことはない。ただ日曜日と月曜日を勘違いしただけのこと。日曜日にいつも観ているテレビ番組がその日はたまたまなかった。それで曜日感覚を失い、
「お母さん、ありがとねー」
その本の名は「涙止人」。るいしじん、と読む。泣けない青年が主人公の本で、何やら自分にも通ずるものを感じたとか。
たまたま
「お。あった、あった」
その古びた本はまだ誰にも借りられた形跡がなく、本棚からなくなっているところを見た覚えがないので、正直人気がないらしい。それで
その主人公が最後にはどうなるのか。今の
そうそう。そのお話の主人公の名も「ルイ」である。
ルイは、父親代わりだった
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