第3話 交わり予兆
彼女がじっと僕の目を潤ませながら
熱く火照った手を、そっと当てたその後
また、一人いる事務所にいき報告書を
出している夕方のある蒸し暑い日のこと。
「濱野くん、家のリホ―厶、綺麗になったて
皆、いってるよ。私遊びにいこうかな!?」
僕は緊張しながら愛車のアクアのことを話すと
「私 今度遊びにいこうかな?」と僕に覗くように
しながら「今日は夜勤だね、私のはここ
着信したらメ―ルも確認してね」とメモをそっと
手渡してくれました。
そしてそっとその手を交わし今日は私先に
帰ります!といって席をたち車の方に行きました。
その夜にひと息ついていると、 着信と共に「濱野くん」
と彼女の声が入り「今 大丈夫かな?」と耳慣れた声が聞こえ
「来週の濱野くんの休みの時 駅で夕方待ってていい。
綺麗なアクア見たいな」わかりましたと言うと
「ちゃんと仕事はするのよ 待ってるから」
彼女はそう言うと静かに電話を切りました。
胸の高鳴る鼓動を抑えながら、彼女との
職場以外での始めての待ち合わせの日が来ました。
少しだけ長めの紫交わりのスカ―トを身に纏い微笑観ながら、
「待つた!」とハリのある声で僕を呼ぶ眩し彼女に見とれながら、
愛車に案内しました。
助手席の横顔に熱いものを感じながら、ゆっくりと車を走らせ
走り慣れたリアス式海岸を見ていた彼女は、嬉しそうに
「海きれいね!!!濱野くん」と言いながらそっと僕の空いてる
手のひらに指を載せてじっとまぶたをつぶりその身を休ませて
いました。
見つめる彼女の愛らしい桜の花のような唇にそっと
自己の唇を重ねると「待ってたわ」とつぶやく声に
うっとりとしてその彼女の胸元に身体をうずめました
夕暮れの海も静かに波うつ頃でした。
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