第5話
白川杏 瑞樹の元恋人。
二人が初めて出会ったのは、高校の入学試験の帰り。
瑞樹が学校前のバス停で、帰りのバスを待ていたら、といきなり声を掛けられた。
「あの? 隣いいですか?」
「えっ?」
突然話しかけられた瑞樹は、声を掛けてきた女性(受験生)を警戒するように見る。
そんな瑞樹の様子に気がついたのは、
「あの? ごめんなさい。わたし、白川杏って言います」
「古村瑞樹です」
「……あぁの? 古村さん。初めてお会いした方に、こんなことお願いするのは申し訳なんですか? 少しの間、話し相手になって貰えませんか?」
「えっ?」
「あぁ! やっぱり! 大丈夫です。友達とも違う学校を受験することになって、そもそも、この学校を受験するのは、私一人で、知り合いが誰もいなくて。だから……つい」
次の言葉を言おうとした瞬間、二人のいるにバス停に、バスがやってきた。
「じゃあ? 私、親に電話しないといけないので」
とバス停から離れようとしたら、瑞樹が杏の左腕を掴む。
「えっ?」
「白川さん。僕の乗るバスは、このバスではありません。だから、白川さんよければ、もう少しおしゃべりしていきませんか?」
「はい!」
この運命と言える杏との出会いから二か月後(入学式)、僕たちは再開し、一学年が終わる頃には恋人になっていた。
けれど、、卒業が近づくにつれて、自分の中で彼女の存在が邪魔になった。
そして、一年前に二月十四日に一方的に別れを告げた。
★
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます