第34話

「オムライスとミートスパゲッティお待たせしました」

「「わぁ! 美味しそう!」」

 來未と藤井がテーブルに持ってきた、オムライスミートスパゲッティに、陽菜と里穂は、同じタイミングで「美味しそう」と叫んだ。

「ありがとうございます。そう言って貰えると、作ったシェフも喜ぶます。では、珈琲をお持ち致しますので、少々お待ちください」

 持ってきた料理をそれぞれ二人の前に置く。

 來未は、珈琲を取りに、お盆(2人分)を持って裏に戻っていった。

 そして、一人残った藤井も、

「では、どうぞごゆっくりお楽しみ……あぁ! ちょっとお持ちください! すぐ行きます」

 「店員さん」と呼びかける別のお客さんに向かって、すぐに行きますと返事を返しつつ、目の前にいる陽菜と里穂の二人にもきちんと笑顔で対応する。

「あの? わたし達のことはもう大丈夫ですので、行ってください!」

「あぁすみません! ではこれで」

 しかし、最終的には、客である陽菜と里穂の方に気をつかわれる形で、藤井は、二人のテーブルを離れた。

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