第30話

8時45分 屋外

「これで良し」

 集めて葉っぱなどのごみををゴミ袋袋に入れ、それをごみ置き場まで持ってきた真理華は、窓から見た來未と柚原の姿を思い出し、思わず愚痴をこぼす。

「それにしてもあの二人、私だからいいけど、見る人によったら誤解されるよねぇ?」

 例えば、店長とか?

「ふふっ? そうなったらそれはそれでちょっと面白いかも?」

 真理華は、來未を巡る「rose」男性スタッフのの恋愛感情を勝手に想像し、一人笑いを堪える。

 真理華は、こう見えて複雑に絡み合った恋愛ドラマが大好物なのだ。

「真理華ちゃん! 掃除終わった? 着替えに行くよ?」

 來未が、窓を開け、外で掃き掃除をしている真理華に声を掛ける。

「はい! いま行きます!」

 真理華は、來未に聴こえる様に大きな声で返事を返すとゴミ袋をゴミ箱に押し込んだ。

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