第13話

華水駅前公園 20時20分 ※「rose」から20分の所にある。

「謝れなかった」

 それどころか……

『あぁ……ごめん。私いま、急いでるから! またねぇ? 藤井君」

 七橋先輩の誤解を解くどころか、先輩とゆっくり離すことすらできなかった。

「……ハァ。俺、絶対七橋先輩に嫌われた」

 藤井は、公園のベンチに腰掛けながら、20分前の自分の行為を悔やむ。

 しかし、悔やんだところで時間はもう戻らない。

「あぁぁもう俺のばか。バカバカ」

 藤井は自分の頭を叩く。

 それも同じところを何度も。

「おい!」

 自分しかいないはずなのに……どこから声が聴こえてきた。

 その声に、藤井は、叩くのをやめて、声が聴こえてきた方向を捜す。

 しかし、どんなに捜しても声の主は見つからない。

 なので、自分の勘違いだったのかと、首を傾げていると、

「……おい! 聞えてないのか?」

「えっ?」

 再び、自分のことを呼ぶことが聞えてきた。 

 しかしも、今度はかなり近くから聴こえてくる。

 けれど、やっぱり姿が見当たらない。

 なので、ポケットからスマホを取りだし、スマホのライトで声が聴こえてきた方向を照らす。

 すると……こっちに向かって歩いてくる樹怜の姿が。

 ※服装は、白のニット黒のローグコート。黒のズボン(温感)

 その手には、コンビニのレジ袋が。

「……誰もいないはずの夜の公園から、聞き覚えのある声がすると思ったら、藤井。お前一体なにやってるだよ!」

「……店長?」

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