罪滅ぼし

第10話

{…侑李さん。先日は、渚君への手紙ありがとうございます}

{…美緒さん。その事なんだけど…}

{もしかして手紙受け取って貰えなかったんですか?}

{手紙は…受け取って貰えたよ? そうじゃあなくて…その…}

{侑李さん!}

{美緒さん、これから自分が話すことを何があっても怒らないで下さい}

{侑李さん。それってどういうことですか?}

{泉石、出所するんです19日に}

{…19日って明日じゃあないですか! なんでもっと早く教えてくれなかったんですか!}

{すみません}

{…許さない}

{…}

{渚君は、私の事を信用していないんですか! }

{それは違う! 泉石は…貴女の為に、貴女に迷惑を掛けない為に。写真集を出す貴女の邪魔になりたくなかったんです}

{そんなの…渚君には全く関係ないのに}

{…あいつは自分の事のように喜んでいました。だから、自分が貴女の旦那だとバレないように刑務所内でもずっと貴女の存在どころか、結婚してる事実すら隠していたんです。美緒さん。貴女を守る為に}

 犯罪者である自分が写真家である泉石美緒の旦那であると解ると、写真集自体が発売できなくなる。

{わわわたし}

{美緒さん、明日あいつを優しく迎えてあげてください。そして、思い切り甘えさせてあげてください}

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る