第84話

「えっ? 結婚……してた? 今からするんじゃあなくて?」

 璃菜と合流し、百花の行きつけだと言う居酒屋(月影)にやってきた私と璃菜に、百花が大胆発言をしてきた。

「そう? 今から結婚するじゃあなくて、私もう結婚してるの? 1年前に」

 驚きの表情を見せる胡桃と璃菜を気にすることなく、ジョッキに入ったビールを飲む。

「それに、私の旦那、胡桃たちのよく知ってる人だよ?」

「えっ? 百花の旦那さんって黒蝶の人なの? ってか? 1年前に結婚してたら、なんで私達に教えてくれなかったの?」

 璃菜が百花を問い詰める。 

「なんて言うのかな? 確かに、1年前、結婚はしたんだけど、お互いの仕事が忙しくて、殆んど今一緒に暮らせてなくて、だから、誰にも言わなくていいかなって?」

「おい! 言えよ!」

「そうだよ! 百花? 私達、友達でしょ? それに、教えてくれたら二人で盛大にお祝いしたのに」

 注文していた品物(唐揚げ、オニオンフライ、フライドポテト、厚揚げ豆腐、グラタン)がテーブルに運ばれてきた。

「ごめんごめん!」

 2人に向かって頭を下げる百花。

 そんな百花に、胡桃が

「じゃあ? 写真見せてよ! 旦那の?」 

「あぁ! 私も見たい! だって、百花の旦那、私達のよく知ってる人なんでしょ? だったら、どんな人か見てみたい! ってか紹介してよ!」

「えっ?」

確かに、知っている人とは言ったが、紹介するとは言って言ってない。

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