第81話
「えっ? どこかでお会いした事ありましたっけ?」
灯の困惑した表情に、侑李は、赤い薔薇を指差しながら、
「花屋さんだと男性女性問わず、やっぱり、告白には赤い薔薇の花束が人気なんですか?」
「そうですねぇ? 定番ではないですけど、やっぱりクリスマスやバレンタインとかになるとに注文が多いですね?」
※あくまで個人的な感想。
「そうなんですか? じゃあ? 貴女もやっぱり、恋愛ドラマや恋愛漫画に出てくるような108本の薔薇の花束で使ったプロポーズとか憧れるんですか?」
〇108本の薔薇の花言葉「私と結婚してください」
「えっ? えっと……私自身は憧れはしませんけど、ほら? あぁ言うのって、プロポーズが成功するって事前に解ってないと恥ずかしいじゃないですか? まぁ? あくまで、私個人の意見ですけど!」
そりゃあ、灯だって、貰えるんだっだら貰いたし、なんなら、そんなロマンチックなプロポーズをできるならやって欲しかった。
でも、それはもう叶うことはない。
「それでも、その人のことが本当に好きなら、例え、事前に答えが解っていなくても、プロポーズは成功するし、なんなら、シチュエーションが例え、自分好みじゃあなかったとしても、彼氏もしくは彼女が自分の為に、必死に考えてくれたシチュエーションだったら、自分は嬉しいですけどねぇ? それに……」
言葉を一旦切り上げ、一瞬後ろを振り返る。
灯の連れられうしろを振り返る。
しかし、誰もいない。
「あの? 西條さんでしたっけ?」
「はい」
「あの? わたし達は、一体どこでお会いしたんでしょうか? すみません。どうしても思い出さなくて?」
目の前にいる西條侑李。彼と昔どこであったのか、この事だけは、どうしても確かめておきたい。
灯は、失礼覚悟で、侑李に質問の答えを確かめることにした。
「ホテルロマンチックです」
「ホテルロマンチックって……まさか」
灯の脳裏に4年前の出来事が、
★
最愛結婚から一部抜粋
「昴君!? なにしてるの」
「灯これは誤解だから」
昴は、必死に誤解だと訴える。
だけど、灯は、信じようとしない。
それどころか…披露宴が終わったと同時に居なくなった昴に不信感を抱き始めていた。
「嘘! だったら、なんで会場からいなくなったの! 私達主役なのよ!」
「…そそそれは…」
「灯様。昴様は、わたくしの忘れ物を届けて下さっただけです。申し訳ありません」
昴の前を離れ、昴の隣に並ぶ形で、灯の前に立つと深々と頭を下げる。
☆
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