最終章　正直な……

１８時４０分　フラワーショップ：ホワイト

「ありがとうございました」

　誕生日プレゼント用の花束を受け取りにきた客を見送り、閉店まで残り３０分（１９時まで）を切ったのと、今日は、従業員が自分と配達に出ている店長と二人。

　それに花束などのアレンジメントを頼まれても、全てを独りで時間内に対応することができない。

　なので、今日は少し早いが閉店作業に取り掛かろうとしたら、スーツの姿の男性が店内に入ったきた。

「お客様すみません。今日は、もう閉店なんです」

　灯は、店内に入ってきたそのスーツの男性の元に掛け寄り、今日はもう閉店なんですと告げる。

　しかし、そのスーツ姿の男性は、そんな灯の言葉が聴こえているはずなのに、男性は、灯に向かって商品の注文を始める。

『ベニハナは単品で、イエローの薔薇の方は、親友への贈り物なので花束で』　

※サイトから引用

〇ベ二ハナ：花言葉「包容力」「愛する力」「夢中」「特別な人」

６月１０日　誕生花　

〇イエロー薔薇　花言葉「友情」「思いやり」「幸福」「優雅」「魅力」

　９本「いつもあなたを想っています」「いつまでも一緒にいてください」

「お客様。大変申し訳ないのですが、本日の営業は……」

「……どうして、鳴海坂昴と離婚したんですか？　本当は……」

「！」

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