第74話
「俺のばか! なんで会議室に……あれ? 久遠さん?」
会議室にスマホを忘れた堂城が慌てて飛び込んできた。
「……堂城……晴海副編集長! どうされたんですか? そんなに慌てて」
自分しかいないはずの会議室に入ってきたのは、堂城に、今まさに彼のことを考えていた久遠は思わず、呼び捨て&ため口になりかけたが、寸前の所で間に合った。
「あぁ! 会議室にスマホを忘れて」
久遠の質問に、堂城は、長テーブルの上に置かれていた黒いスマホを手に取り、久遠に見せる。
「そのスマホ? 堂城副編集長のだったんですね? テーブルの上に置いてあったので、誰かの忘れ物だとは思ったんですけど」
会議が終わり、久遠以外が会議室を出て行ったあと、テーブルの上にスマホが1台、置かれたまんまだった。
久遠は、そのスマホを持って、会議の参加者のことをすぐさま追い掛けたが、みんなもうエレベーターに乗ったあとだった。
なので、仕方なく持ち主がスマホを取りに戻ってくるまで、会議室で待つことにしたのだ。
でも、その持ち主がまさか、堂城誠也だとは思いもしなかった。
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