第63話
3年前 中途採用でうちの編集部に入ってきた滝川春(25歳)
「鮫島先輩! 今、お時間よろしいでしょうか?」
「どうした?」
「ああぁあの?」
「うん?」
用事があって、自分に声を掛けてきたはずなのに、中々用件を言わない彼女に、俺は、首を傾げる。
「あのあの? 堂城副編集長は、男性なんですよね?」
「はい?」
一体なにを言い出すだ! この子は? とその時は思ったが、あとから考えれば、入社してきたばっかりの滝川さんが、あの人のあれを(オネェキャラ)を直に見て、自分にあぁいう風に尋ねるのも納得がいく。
けどまぁ? 正直言って、自分はあの人のオネェ言葉は、苦手だ!
あの人……堂城副編集長にとっては、黒蝶時代からの技の一つなんだろうけど?
そして、あのオネェ言葉こそが、「堂城誠也」=危険人物のイメージを払拭する一番の有効手段なのだろう?
それに、ふと見せる危険な雰囲気に、女子は惚れてしまうだろう?
★
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます