第58話

拝啓 泉石渚様

 本当に、これでよかったのか?

 あの子にとって、渚? お前は親友、いやぁ? 相棒だったんだろう?

 それなのに、このまま二人の関係を終わらせていいのか?

 3年前、お前は、昴くんを護る為に、たった一人で自首し、警察での取り調べでも、最後まで昴くんの名前は出さなかった。

 それどころか、裁判でも、堂城さんらがわざわざ書いてくれた嘆願書(無罪)を無視してまで、有罪判決を願った。

 そこまでして渚?

 君が護りたかったものって? なに? 

 勿論。渚は、酷いことをしたことをしたかも知れない。

 だけど、誰一人、悲しんでない。

 むしろ、みんな幸せになってる。

 君が、美緒さんを略奪する為にやってしまったことは、償わないといけない。

 でも、こんなやりかじゃあなくても良かったんじゃあない?

 渚。大切な人達を護れたのかもしれない。

 けど、昴くん? いやぁ? それ以上に、お前が護ろうとした人たちは、お前以上に苦しんでるじゃあないのか?

 勿論! 俺も。

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