第35話

「……やめて貰えませんか? 俺の元後輩に、嘘の情報教えるの? それと、なんだか、俺が勝手に席を外した事になっていますけど違いますよね?」

「あら? そうだったかしら?」

 自分の罪を棚に上げ、堂城に罪を押し付ける。

 そんな棗の姿に、堂城は「はぁ」とため息をつきながらも、「ここみ」の三野宮編集長から預かってきた企画書を棗に渡す。

 堂城から受け取った企画書を見ながら、棗は一人興奮している。

 そんな棗の姿に、黒木と百花、そして、部屋のいた全員が一切に二人に視線を向ける。

「棗編集どうかされたんですか?」

「あぁ!」

 その視線に、棗は、ようやく自分が注目の的になっていることに気かづく。

 そして、同時に、自分の恥ずかしい姿をみられてしまったと後悔する。

 しかし、一方の堂城は、何の感情すら湧いてこない。

 それどころか、彼女が隠していた秘密をぶちまけた

「……棗編集長は、小麦アレルギーなんですよね? だから、親友である三野宮編集長にお願いして捜して貰ったんですよね? 小麦アレルギーに対応している食事処屋や小麦アレルギーに対応したお菓子やを商品を販売している店舗を。晴海の皆……いやぁ? 大好きな三野宮編集長をデートに誘う為ですよね?」

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