出来る事なら……
第34話
雫丘出版晴海編集部 15時
「ただいま戻りま……って! 百花!」
浜中商事との商談(クレーム処理)を終え、晴海編集部に戻ってくると、何故か「黒蝶」の市川百花が、棗編集長らとお菓子を食べながら談笑していた。
「あぁ! 胡桃おかえり」
「あぁ……ただいま。って! いやいやなんで百花がここに?」
市川百花とは、同期入社であり、今でも小泉璃菜と含めて3人で一緒に食事をしたり、遊びに行く仲でもある。
しかし、彼女は、「晴海」所属である自分と璃菜と違い、まさかの「黒蝶」所属だ。
それも、百花は、採用試験の時から「黒蝶」に配属されることは希望し、入社後の研修後希望通り「黒蝶」に配属され、今では課長にまで昇進した。
「あぁ! 堂城先輩にちょっと用事があってね? けど、肝心な本人がいないからここで待たせて貰ってるの!」
「市宮さん! ごめんなさいねぇ! 堂城君! 丁度、席外してて。10分前ではいたんだけど。本当どこ行ったのかしら?」
「棗編集長! 謝らないで下さい! 私が、アポイントなしで、堂城先輩のことを尋ねてきたんですから! それどころかケーキを頂いてしまって」
「いいのよ! どうせ! 堂城君は、あまり甘い物好きじゃないし。なんなら私も、あまりチョコレートケーキは好きじゃあないし。だから、市宮さんが食べてくれた方がケーキも嬉しいと思うわ!」
「……棗編集長」
「……俺? 甘い物嫌いじゃあないけど?」
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